男性保育士は、体力があり、防犯上の安心感があるというメリットがあります。また保育士は女性が圧倒的に多い職場ですが、女性とは違った視点もあります。平均年収は、女性保育士の322万円に対して、346万円と若干高くなっています。
また女性保育士は結婚や出産で退職する方もいますが、多くの男性保育士は継続して働きます。そのため、キャリアアップしやすいという大きなメリットもあります。
しかし、ある種の偏見があることも事実です。保育士不足が叫ばれる中、今後は更なる増加が期待されています。
本記事では、男性保育士の魅力や、偏見に対する対処の仕方を解説します。
目次
1. 男性保育士の現状
C子
私の弟が、保育士になりたいと言うんですよね~男性保育士ってどうですか??
男性保育士の数と需要は増えつつあるけど、やっぱり女性保育士よりは断然数が少ないわね。この記事では、男性保育士をピックアップして解説してるわよ!保育士という仕事に興味がある男性は、是非参考にしてね☆
A子
C子
ありがとうございます!!弟にもURL送っておきますね!
まだまだ一般的には女性のイメージが強い保育士ですが、男性保育士は現在どのような環境で働いているのでしょうか。その現状について、解説します。
1-1. 全体数は増加傾向
近年、男性保育士の数は年々増加しています。これには、社会的背景の変化が大きく影響しています。1885年の「男女雇用機会均等法」制定以前は、保育士は保母と呼ばれ男性はほとんどいませんでした。
「男女雇用機会均等法」により保父という呼称が生まれ始め、1999年にそれらをまとめて保育士という表現が使われるようになります。2002年を超えても男性保が士の数は全国で1,000人未満でしたが、2010年度の厚生労働省の調査では7,500人、2015年度では11,670人と年々人数が増加しています。
しかし増加傾向ではあるものの、2018年の同調査における男性保育士の数は13,400人です。この数字は女性保育士の216,220人の約6.2%で、依然として少ない状況です。
1-2. 平均月収と年収とは
男性保育士は女性保育士と比べて人数も少ないため、どのような条件で働いているのか、あまりイメージが湧かないという方も多いのではないでしょうか。厚生労働省の統計調査では、保育士の収入は以下のようになっています。
男性保育士の平均月収は約26万円で、平均年収は約380万円です。一方、女性保育士の平均月収は約23万円で、平均年収は約340万円です。
女性保育士と比較すると、男性保育士の待遇は恵まれています。しかし、双方とも仕事の専門性や大変さを考慮すると見合わない面があると指摘されています。
1-4. 求人ニーズとは
男性保育士の存在は、女性保育士と得意分野が異なります。そのため、お互いうまく助け合うことで良いチームメイトとなれることが多くあります。
例えば、保護者にとって女性だけでなく男性の保育士がいるということは、安心できる点がいくつもあります。そういったニーズは、保育士の求人サイトにも反映されています。
具体的には、「男性OK!」「男性保育士歓迎!」といったフレーズが入った求人が多くあります。また求人案件によっては、将来の幹部候補として採用枠を用意されていることもあります。
保育士の求人状況や合格の秘訣については、『保育士求人案件に受かるには?豊富な先輩談から導く合格の秘訣とは』を参照下さい。
2. 男性保育士のメリット
まだまだ女性のイメージが強い保育士ですが、男性だからこそのメリットが多くあります。ここでは、男性保育士のメリットについて解説していきます。
2-1. 子どもに人気がある
メリットの一つに、園児の子どもから人気になりやすいという点があります。遊び盛りの子どもたち(特に4・5歳)はかなり活発で、女性保育士には手に余ることもがあります。思う存分遊べる男性保育士が、人気になりやすいのです。
また保育士は女性が多い業界です。男性ならではの関わり方ができる保育士として、子どもから人気を集めることができます。
実際に担当した子どもがすごく懐いてくれて、姿が見えなくなると大泣きしてトイレの前まで追いかけて来たというエピソードもあります。子どもたちからこのように慕われることができるというのは、保育士という仕事冥利に尽きると言えます。
2-2. 体力面で貢献できる
保育士の仕事は、デスクワークよりも、体力を使う仕事がかなりあります。例えば、子どもと遊んだり、お部屋の飾りつけ、イベントの設営や撤去、園内の環境整備があります。
また荷物を運んだり、いろいろなものを設置するなどの力仕事は、現場で必ず発生します。その時、一般的に女性よりも力の強い男性保育士の存在は、とても頼りになります。
2-3. 防犯面で貢献できる
保育士の仕事の中で、最も大切なことは子どもの安全を守ることです。例えば、子どもが遊ぶ場所に危険なものがないか入念にチェックし、遊んでいる間は危険な目に合わないかをしっかりと見守ります。
そして子どもを脅かす危険の中でも、特に怖いのが不審者の存在です。保育園は子どもを預かる場所であるため、セキュリティがしっかりとしていることが大前提です。
男性保育士が目を光らせていることで、不審者を遠ざける効果を発揮することがあります。同様の理由で、保護者が安心して預けやすい環境作りにも貢献できます。
2-4. 男性の保護者から頼られる存在
近年、男性の育児参加が増加しています。その結果、多くの男性の保護者が保育園に足を運び、子どもの送り迎えをする姿を見かけるようになりました。
そんな男性の保護者は、保育士も保護者も女性の多い保育園において、肩身の狭い思いをしがちです。また園での子どもの話をなかなか聞けないという状況があります。
そんな男性の保護者にとって、男性の保育士は相談がしやすい存在です。また信頼できる相手になりやすいのです。
3. 男性保育士のデメリット
男性が保育士になるメリットはたくさんありましたが、逆に男性だからこそのデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。ここではデメリットについて、解説します。
3-1. 給料がアップしにくい
男性に限らず、保育士の仕事を選ぶデメリットとして、給料が上がりにくいということが挙げられます。保育士の給料は、園によってそれぞれ異なります。
男性保育士の方が、女性保育士よりも若干給料が高い傾向にあります。ただし、業界全体として基本的な給料がまだ低く、業績賞与などの点から男性・女性問わず、給料をモチベーションにすることは難しそうです。
3-2. 保護者から警戒されることがある
保育士として働く上でとても重要なのが、保護者との信頼関係です。しかし男性保育士の場合は、一部の保護者から警戒されてしまう傾向があります。例えば、保育園では小さい女児を預かり、その着替えを手伝うことなどもあります。そういった点で、男性保育士に子どもを預けることに抵抗をもってしまう保護者もいるのです。
また保護者の中には、保育士は女性がなる職業であるという考えを持っている方もいます。そのような場合にも、男性保育士に対して保護者が警戒心をもってしまうことがあるのです。
この警戒心は、自分の子どもへの愛情からくるものです。なので解決策は、子どもに対して誠実かつ公平に一生懸命接することです。そうすることが、保護者の信頼を得る近道になるでしょう。
4. 将来性とは
男性が保育士となる大きな魅力の一つが、退職せず長期に渡って働き続けることです。そうすることでキャリアアップのチャンスに恵まれる可能性が高くなります。
保育士としてのキャリアアップは、男性・女性共に平等です。しかし、女性保育士の方が結婚などを理由に退職する場合が多いのは事実です。それが、男性保育士の方がキャリアを積み重ねやすい背景になっています。
男性保育士は、長い期間働くことで多くの現場経験を積み、主任・副主任や管理職になれる可能性は高いです。その結果、できる仕事の幅が広がり、昇給するなどより保育士という仕事を楽しむことができるでしょう。
また保護者や仲間の保育士からの信頼を集め、最終的に園長などの役職も目指せます。
5. まとめ
現在、保育士の多くは女性が占めています。だからこそ、男性保育士は男性ならではの強みが活かせ、楽しい保育士生活を送るチャンスだともいえます。
また、主任や副主任、園長などの園のマネジメント側へのキャリアアップや昇給といった目標を目指して、長期で働く魅力もあります。
男性だから諦めるという必要はありません。是非、保育士という素晴らしい仕事に挑戦してみることをお勧めします。