保育士の仕事内容は、これから保育士を目指す方にとっては、非常に関心が高いテーマだと思います。一般的な保育士という職業のイメージは、子どもに関わる仕事ではないでしょうか。
子どもの成育に関わるのは、保育士の重要な仕事です。それ以外にも、保護者対応や保育園でのイベント企画や事務系の仕事などがあります。
本記事では、保育士の仕事内容を大きく3つの分野に分けて解説します。また、保育士資格を活かせる仕事や職場についても解説します。保育士資格は、一生活かせる国家資格です。是非、存分に活用して下さい!
目次
1. 保育士の仕事内容
保育士の仕事内容は、大きく3つの分野に分類できます。ここでは、それぞれを詳しく解説します。
1‐1. 子どもの成育を補助する仕事
1-1-1. 保護者の代わりに子どものお世話をする
保育園に入園した子どもは、一日の大半を保育園で過ごします。その時間は、子どもにとって保育士は親と同じ存在です。保育士は、親代わりに、子どもの身の回りのお世話をするという大切な仕事を任されています。
子どもを楽しませ、好かれるようにコミュニケーションを取るスキルが求められます。そうすることで、子どもの日々の成長が仕事のヤリガイにつながります。
1-1-2. 子どもに生活習慣を身に付けさせる
保育士の大切な仕事の一つが、子どもに基本的生活習慣を身に付けさせることです。具体的には、「食事」「睡眠」「排泄」「清潔」「衣類の着脱」などがあります。これらは、子どもがこれから社会の中で生きていくために必要なものです。
保育士は、保護者の代わりに、生活習慣を教えるという教育者としての側面を持っています。また子どもの順応性などに問題がある場合、保護者と情報共有し、対応する必要があります。
1-1-3. 子どもに社会性を身に付けさせる
保育園という場所は、集団生活の場所でもあります。そこには、マナーやして良いこととしてはいけないことがあります。そういったルールを認識させ、守るように指導するのも保育士の大切な仕事です。
具体的には、「挨拶する」「約束を守る」「人に迷惑をかけない」「自分のことは自分でやる」などがあります。
1-1-4. 子どもの創造力や表現力を育む
保育園では、子どもの才能や感性を育むための様々なイベントがあります。例えば、音楽の感性を育む音楽保育には、「童謡」「手遊び歌」「リトミック」「リズム遊び」などがあります。また絵画の感性を育む保育には、「お絵描き遊び」「切り絵」「貼り絵」「はじき絵」などがあります。また「運動」や「自然観察」もあります。
こういったイベントや遊びを通じて、保育士は子どものやる気を引き出し、「作る」「表現する」喜びを育みます。
1‐2. 保護者に関連する仕事
1-2-1. 子どもの成育状況を伝える
仕事等の事情で子どもを保育園に預けている保護者にとって、保育士はとても重要な存在です。特に保育園での子どもの様子や成長具合は、気になるものです。また食物アレルギーや何らかの疾患がある場合は、丁寧なケアと情報共有が大切です。
保育士は、送り迎え時の会話以外にも、「連絡ノート」や「園・クラス便り」などで保護者とコミュニケーションを図ります。
1-2-2. 園の教育方針を伝える
保育園は、子どもの教育に対して、理念や目標を持っています。そういった考え方を、保護者の方々に説明し、理解して頂くのも保育士の大切な仕事です。
1-2-3. 保護者の育児を支援する
保育士は、保育に関する専門知識や技術を活用し、保護者の育児支援も行います。具体的には、「保護者からの育児相談」やうがいで使うコップなどの「備品準備」、保護者の日程にイベントを合わせる「日程調整」などがあります。
保育士の保護者支援で一番重要なことは、“保護者の気持ちに寄り添うこと”です。子どもの健やかな成長という共通の目標に向けて、良好な人間関係を築くことが大切です。
保育士の仕事の一日の流れについては、『保育士の仕事内容とは?一日の仕事の流れでイメージしましょう』で詳しく解説しています。
1‐3. 保育以外の仕事
1-3-1. 保育教材を考える
保育園では、生活や遊びを通じてた教育も行われています。そんな教育や知育シーンに活躍するのが、保育教材です。保育教材は、子ども達の観察力や集中力、想像力を養うためのものです。
保育士のちょっとしたアイディアが子どもの遊びを喚起し、そこから子どもが更に発展させるという流れが生まれます。保育教材の具体例としては、「パネルシアター」や「ペープサート」「エプロンシアター」「パペット」などがあります。
1-3-2. 保育や行事で使う物を準備する
保育で使う絵具や画用紙、運動会や七夕、お遊戯会などの行事で使用する衣装や小道具を準備します。また保育士の出し物を披露する保育園の場合、その練習もします。
1-3-3. 保育園内の飾りつけをする
子どもが保育園に行きたくなるような楽しい空間作りも、保育士の大切な仕事です。例えば、子どもに人気のキャラクターや乗り物が壁に貼ってあるだけで、雰囲気はガラリと変わります。また春は桜、秋はトンボといった季節を感じるモチーフを使用することで、子どもは季節の風物詩を学ぶキッカケになります。
1-3-4. 保育日誌を記録する
保育日誌とは、保育の質の向上のための日誌です。毎日の活動内容を記録することで、改善点や課題を洗い出すことができます。例えば、保育日誌の項目として「出席数と欠席数」「子どもの健康状態」「今日のねらいと活動内容」「反省と考察」「保護者への連絡事項」等があります。
保育日誌を上手に活用するコツは、日々の現場で何か出来事があった時に、“すぐにメモを取る”ことです。そうすることで、思いがけない気づきや業務改善のヒントが見つかることがあります。
1-3-5. 指導計画案を作成する
指導計画案は、「指導計画」とも呼ばれます。保育現場での指導内容を、年間・月間・週間・1日の単位で落とし込みます。厚生労働省の「保育所保育指針」には、指導計画について以下のように記されています。
■ 保育所は、全体的な計画に基づき、具体的な保育が適切に展開されるよう、子どもの生活や 発達を見通した長期的な指導計画と、それに関連しながら、より具体的な子どもの日々の生活 に即した短期的な指導計画を作成しなければならない。
2. 保育士の資格を活かせる仕事
国家資格である保育士資格を活かせる転職先は、多くあります。
2‐1. 保育園以外の保育施設
保育園以外で、保育士の資格を活かせる保育施設を以下に記します。
① 幼稚園
② 認定子ども園
③ 認可外保育施設
④ 企業内保育
⑤ 病児保育
⑥ 家庭的保育事業
⑦ インターナショナルスクール・プリスクール
⑧ ベビーシッター
2‐2. 保育園以外の福祉施設
保育園以外で、保育士の資格を活かせる福祉施設を以下に記します。
① 乳児院
② 児童館
③ 児童養護施設
④ 放課後児童クラブ
⑤ 障害児施設
⑥ 母子生活支援施設
2‐3. パート保育士という働き方
パート保育士とは、正社員としてではなく、時給制で雇用される非正規職員の保育士のことです。仕事内容は「保育補助」がメインなので、残業や持ち帰りも多くありません。
保育補助とは、掃除、洗濯、片付け、子どもの寝かしつけ、おむつ替え、食事サポート、イベント準備などの仕事です。基本的にクラスを持たず、担任をサポートします。
パート保育士は正社員の保育士よりはお給料は少ないですが、自分の時間を確保しながら保育士資格を生かした仕事をしたい方に向いています。家事や育児と両立させたい方、扶養控除内で働きたい方には、ピッタリでしょう。
パート保育士は、「短時間パート保育士」と「長時間パート保育士」の2種類があります。短時間パート保育士は、1日の勤務時間が4~6時間で1ヶ月で120時間未満です。長時間パート保育士は、1日の勤務時間が8時間で、1ヶ月で120時間以上になります。
3. 保育士に向いている人とは
3‐1. 子どもと関わるのが好きな人
保育士に求められる資質で一番大切なのは、やはり子ども好きな点でしょう。例えば、子どもが泣いたり、喧嘩をしても、優しく笑顔で対応することが求められます。
また様々な生活習慣を教えてあげ、集団ルールやマナー、感性を育んであげるのが保育士です。そういった仕事を心から楽しんでやるためには、やはり子どもへの愛情が必要です。そのためには、子どもと関わることが好きな人に適正があるといえます。
3‐2. 体力に自信がある人
子ども達と楽しく遊んであげるためには、体力が必要です。育ち盛りの子ども達は、全力で先生にぶつかってきます。その成長パワーを受け止め、しっかりと育んであげるためには体力が必要不可欠です。
3‐3. 感情表現が豊かな人
「先生、こんな折り紙ができたよ」「凄いね!よくできたね」といった会話が、保育の現場ではよく交わされています。このような子どもが何かに取り組み、その成果に対して感情豊かに褒めてあげることが子どもの成長につながります。
また歌をみんなで歌う時の表情や、紙芝居でキャラクターを演じる表情や声など、子ども達を楽しませるエンターテイナーとしての資質も大切です。
3‐4. コミュニケーション能力に優れている人
保育士は、子どもだけなく、その保護者ともコミュニケーションを取ります。子どもの近況や、日常で起こったこと、園の方針説明など、保護者と円滑にコミュニケーションを取り、良好な関係を保つことが求められます。
4. 保育士はなぜエプロンをする?
4‐1. エプロンは保育士の必需品
保育士という仕事は、子どもの食事や絵具やクレヨン遊び、オムツ替えなどで汚れる機会が多い環境です。また運動場や公園など、外での遊びで汚れることがあります。
そういった汚れやすい環境で仕事をするためには、エプロンは保育士にとって必需品です。また、衛生管理の面でもエプロンは大切です。子どもの世話をしている時に、吐しゃ物や排泄物が付着しても、エプロンを着ているとすぐに着替えることができます。
4‐2. エプロンは何枚買えばいい?
エプロンを購入する場合、何枚買えばいいのでしょうか。例えば、洗い替えのために何枚か予備のエプロンを用意しておいたほうがいいでしょう。
汚れた場合の予備用として、1日で2~3枚使うことを想定しておきましょう。洗濯も考慮すると、エプロンは合計4~5枚持っておくといいでしょう。
4‐3. 保育士に人気のエプロンとは
楽天市場で調べると、保育士エプロンランキングが出てきます。上位には、「クレヨンしんちゃん エプロン」「しろくまほっとけーきストライプエプロン」「丸眞 スタジオジブリ ラン型」などがあります。やはり子どもに人気のアニメキャラクターものが支持されているようです。価格は、2,800~4,500円前後です。
また学研のエプロンは、品ぞろえが豊富です。中には、「くまのがっこう」「ぺんぎんたいそう」「トムとジェリー」「はらぺこあおむし」などのキャラクターものも揃っています。
5. まとめ
保育士は、保育園では子ども達にとっての親といえる存在です。
生活習慣や社会性を育み、また創造力や表現力といった感性を磨くお手伝いもします。その手応えが、子ども達の日々の成長となって、自分に返ってくる尊い仕事です。
一生働ける保育士という国家資格を活かすためにも、保育士の仕事内容を事前に理解し、働いた後のギャップがないようにしましょう。