保育士求人案件に受かるには、どうしたらいいのでしょうか。最近は保育士の方の平均転職回数は、2~3回です。それほど多くはありませんが、転職の成功はやはり人生に直結します。
「勤務地」「お給料」「教育方針」「勤務時間」など、自分にピッタリの保育園で働けることは、人生の満足度につながります。本記事では、保育士求人に合格するための法則を、先輩の失敗経験から抽出します。
① 保育士求人案件に受かるための心構えとは
② 転職理由ごとに向いている求人サイトとは?
③ ブラックな保育園とホワイト保育園の見分け方
④ 面接する園側は、面接でどこをチェックしてる?
目次
1. 保育士求人案件に受かるための心構えとは
転職活動の鉄則は、「前向きな転職」です。現在の環境よりも、「より自分を向上させるために環境を変えたい」「自分の強みをより活かしたい」という転職理由が、内定への近道です。
その転職理由を実現できる場所が、「応募する保育園」です。事前にホームページをチェックして、該当する場所を見つけ、「志望動機」に落とし込みます。
「貴園に応募させて頂いた理由は、自分の強みである〇〇〇を、より発揮できると考えたからです」というロジックになります。
応募する保育園の面接官に、「この人と一緒に働きたい!」と感じてもらえるかどうか。そこが、合格か不合格の分かれ目です。
2. 保育士求人サイトの上手な活用方法
求人案件を効率的に探すには、保育士求人サイトが効率的です。ポイントを、以下に記します。
① 各サイトの強みを理解し、複数サイトに登録する
② 自分の条件にピッタリの求人が多い求人サイトに登録する
③ 初めての転職活動の場合、求人件数が多い求人サイトに登録する
④ 求人サイト登録用の個人情報のフォーマットを作成し、コピペできるようにしておく
⑤ 保育士求人サイトに掲載されているノウハウを活用する
※例、「履歴書の書き方」「志望動機」「職務経歴書の書き方」「面接での身だしなみ」「保育士さんおすすめブログ」
代表的な求人サイトを、以下に記します。
① 保育士ワーカー
※保育士ワーカーの口コミ
② 保育士人材バンク
※保育士人材バンクの口コミ
③ マイナビ保育士
※マイナビ保育士の口コミ
④ ヒトシア保育
※ヒトシア保育の口コミ
⑤ 保育求人ガイド
※保育求人ガイド口コミ
⑥ 保育士バンク!
※保育士バンク!の口コミ
どの保育士求人サイトを使うかは、保育士求人サイトの口コミを参考にするのも効果的です。これらの中から、複数登録して活用しましょう。
混乱しないように、エクセルで「サイト名」「URL」「ID」「パスワード」「ピックアップ保育園」「進捗状況」などを管理して進めると効率的です。
3. 先輩の転職活動から学ぶ
ここでは、実際に転職活動をした先輩の失敗談から、成功するためのポイントを解説します。
3-1. 給与が低く生活が苦しいため希望年収が見込める園に転職
3-1-1. 失敗談
いざ転職してみると、給与は前職より少し良くなりましたが、良くなったというよりは、残業が増え、残業手当で収入が増えた状態になっています。
残業した分はきちんと残業手当が支払われますが、体力的にいつまで続けられるか不安があります。残業をすることは当たり前と考えている上司も多く、定時では帰りにくい雰囲気が漂っている為、プライベート時間が取りづらくなってしまいました。
3-1-2. 担当者から反省ポイントアドバイス
給与が良くなった代わりに労働時間が増えたというケースはよく聞きます。労働時間が増えたのですから、給与が増えるのは当然のことですが、残業が多いことを面接時に聞いていれば転職を考えることになったかと思います。
「聞かれなければ答えない」という園も存在するようですので、面接時に必ず確認が必要ですね。
3-2. 保育委託業者の企業主導型保育園への転職
3-2-1. 失敗談
小規模な保育園が良いと思い、企業主導型保育園へ転職しました。面接時に、他の園へヘルプ要因での勤務が時々あると言われました。時々であれば大丈夫と返答していましたが、実際入職してみたら夜電話が入り「明日は○○へ行って欲しい」と急な指示が入ることが度々あります。
年齢的にも動かされやすいことは理解していますが、自分の園で必要とされていないのではと不安に思うようになりました。子ども達との関係をより深く持ちたいと思って転職したのに、行事に参加できないこともあり落ち着いて保育に取り組めません。
3-2-2. 担当者から反省ポイントアドバイス
何園も受託施設を抱えている保育園では、保育士が休んだり、不足していたりすると社内でカバーしなければなりません。
他の園を見るチャンスともなりますが、同じ人に負担がかかってしまうのは良くない事ですね。ご自身の、保育士として成長の為上司に相談することをお勧めします。
3-3. 音楽に特化した保育園への転職
3-3-1. 失敗談
小さい頃からピアノを習い、音楽に力を入れている保育園で働くのが夢でやっと採用が決まり、やる気を持って転職しました。保育内容はすごく充実していて、やりがいを感じています。
しかし、悩みの種が…園内が ICT化されていて、PC操作が苦手な私は今まで手書きで行っていた事務作業をすべてPCで行うようにと言われ毎日かなりの時間を要しています。
保育の現場でも、ICT化が進んでいる園も増えてきていますが、それが原因でストレスを抱えながら仕事をすることとなるとは予想していませんでした。自分のスキルアップと思って勉強していきます。
3-3-2. 担当者から反省ポイントアドバイス
現在は、ICT化を導入していない園の方が少なくなってきているほど進んでいます。全ての業務を手書きで行っていた保育士さんは、多くの時間を書類作成に取られていたことと思います。
まだPCやタブレットに慣れていない方には、負担かもしれません。慣れれば業務時間の短縮ができるので、活用出るよう取り組んでください。
3-4. 人間関係に悩んで転職
3-4-1. 失敗談
上司からの圧力がストレスで、人間関係が良好だと評判の保育園へ転職することが出来ました。同僚との関係も良く、先輩方も尊敬できる存在で人間関係のストレスは殆どなくなりました。
しかしお寺の保育園だからか、宗教的な考え方が多くを占めています。「人間関係での悩み」に気を取られ、宗教的なことは考慮しませんでした。
最近は、私生活でも宗教的な面を強要されることに抵抗を感じています。職員は全員入信するという風習があるようで、見えない強要を感じています。
3-4-2. 担当者から反省ポイントアドバイス
宗教的な保育園では、当たり前のように宗教的な考え方で保育が行われています。その考え方に共感できないと、勤め続けることは難しいでしょう。気が付かないうちに入信している方も多いのではないでしょうか。
宗教的な考えには、様々なものがあり一概にどうとは言えませんが、保育をしていく上ではその宗教の教えをしっかり理解していく必要があります。一時的なものではない為、しっかり調べて転職することをお勧めします。
3-5. 事務職から保育士への復帰
3-5-1. 失敗談
子育てもある程度落ち着き、パートでも良いからやはり子ども達と関われる保育士に戻ろうと決意し、転職しました。ある程度自由の利く、子育てへ理解のある保育園を選んだつもりでしたが、考えが甘かったかなと実感しています。
子どもの風邪で1週間程お休みを頂き、次に出勤した時に職場の雰囲気が違い、休んだことで迷惑をかけた先生方へはすぐに謝罪へ行きましたが、あまり話を聞いてくれることもなく、つらい日々を過ごしました。
その後、私と同じ理由でお休みした保育士の事を悪く言っている場面に遭遇しました。そして、私の時も同じ状況だったのだろうなと気付きました。保育の現場で子どもと関わる職場なのに、子育てへの理解が無くとても寂しい気持ちになりました。
3-5-2. 担当者から反省ポイントアドバイス
保育の現場でも、まだ理解の少ない園が存在していますね。こういった園では、役職者の子育てへの理解が無いケースが多いようです。若い先生方は知らない間にそういった考え方を植え付けられていることもあります。
子育てへの理解が無いことが保育士の退職理由の中でも上位に入っていることから、こういった風習は早くなくして欲しいですね。園の中で、誰かが変えようと立ち上がり良い環境となっている園も多く存在します。
改善の傾向が見られないようであれば、転職を視野に子育てしやすいい園を見つけた方が良いかもしれませんね。園の中を変えるのは非常に難しい試みとなりますので、一人で出来ることではないと思います。同じような境遇の方と一緒に声を上げ、取り組んでみるのも一つの案です。
3-6. 給与が低く生活が苦しいため希望の年収を見込める園に転職
3-6-1. 成功談
転職して本当に良かったです。一生懸命仕事をしている評価をきちんとして頂けていると感じています。以前の職場より、自分でも知識を得たいと思うようになり、スキルアップの意欲も湧いています。
先生方との関係も良く、プライベートでも気の合う先生と出かけたりするようになりました。園長先生がとても優しい性格です。保育の内容も自分らしさを認めてくださり、常に意見を聞いてくださいます。
一番の違いは、「園長先生の考え方」と「保育士との関わり方」だと感じています。
3-6-2. 担当者からポイントアドバイス
気持ち良く仕事が出来るのは、とても良い環境ですね。保育園という組織の中で園長先生の考え方は園の風習や雰囲気に直結しているといっても過言ではない程関係していると思います。
いい園に巡り合えた事で、保育士としてのスキルも上がり、向上心を持って勤められる環境であることはとてもいい園ですね。個人をしっかり見て下さる園は、離職率も低く、長く働ける園であると思います。楽しく仕事が出来るということはとても幸せなことですよね。
3-7. 保育委託業者の企業主導型保育園へ転職
3-7-1. 成功談
大規模園の保育園で勤めた後に、もっと子どもたち一人一人と深く関わりを持ちたいと思い転職しました。始めは、保育の内容の違いにすごく驚きました。こんなにも個人に寄り添え、個人の意見を尊重してあげられる保育が出来て、私自身のストレスもかなり軽減されました。
20人に同じことを同じ時間内にさせると、どうしても強制的になってしまいます。それが、とてもストレスでした。子ども達のペースで取り組ませてあげられる保育が出来て、一人一人と深く関わることが出来る環境にも感謝しています。
3-7-2. 担当者からポイントアドバイス
大規模園と小規模園では、子ども一人にかけれる時間が違います。また園自体が個人への配慮をどこまで可能にするかで、大きく違ってきます。
小規模園の保育園は、縦割り保育の園が多いです。そのため、年齢に合わせた保育がなされていないのではないかと心配される保護者もいらっしゃいます。
大規模園と小規模園は、どちらが良いのかは一概には言えないものです。ただ小規模園の保育士さんが個人への時間を大切にしてくれているということは、預ける保護者はとてもありがたいことだと思います。
3-8. 音楽に特化した保育園へ転職
3-8-1. 成功談
小さい頃からピアノをしていました。そこで子ども達にもっと音楽の楽しみを伝えたいと思い転職しました。保育の中でも、リトミックや合奏合唱を沢山取り入れているこの園は、子ども達に多くことを感じさせることが出来て、私自身も毎日がとても楽しいです。
2-8-2. 担当者からポイントアドバイス
ご自身が楽しく、向上心を持って働ける環境はとても素敵ですね。保育の中で特化した物がある保育園では、子ども達も年齢ごとに成長した面が目に見えて分かり、保育する方もそれは励みとなります。転職してよかったと思える園に巡り合えて良かったですね。
3-9. 人間関係が嫌で転職
3-9-1. 成功談
転職した園では、皆が和やかで自然と協力する体制が出来ています。一人で考え込む癖がついていましたが、転職してすぐに上司に注意され、一人で考えこまないようにと言っていただきとても心が救われました。
上司や同僚に相談できる、協力してもらえるという環境で以前の職場との大きな違いに涙が出るほどでした。中でも主任がとても気付いてくださり、よく声をかけてくださいます。保護者対応も、困っているとアドバイスを下さって、安心して対応することが出来ました。
3-9-2. 担当者からポイントアドバイス
人間関係は、保育士の退職理由の一位となっています。それ程、悩んでいる保育士さんが多いのは、やはり女性の職場ということで昔からの良くない風習が残っている園も多いからだと思います。
協力体制や、安心して働ける環境である方が、より良い保育を行えることと思います。保護者対応でも、一人で背負うのはとても大変です。上司が頼れる存在であることはとてもありがたい環境ですね。
3-10. 事務職から保育士への復帰
3-10-1. 成功談
6年ぶりに復帰しましたが、その間にいろいろな事が変わっていて前勤めていた時よりとても働きやすいと感じています。
お給料の面でも処遇改善加算があり、以前とは待遇も違い驚きました。子育てしながらでも働きやすい環境を作ってあり、子育てしながらもしっかり働けています。
3-10-2. 担当者からポイントアドバイス
近年、保育業界でも新しい試みをしている園が増えています。母となっても、退職しなくていい職場作りをすることが離職を防ぐこととなっている園もあります。
女性の職場である以上、結婚出産が理由で退職しないで良い園へ勤められると、安心して復帰できることと思います。
4. 転職理由で選ぶ保育士求人サイト
保育士の転職には様々な動機があります。その理由ごとに向いている保育士求人サイトを、ここではご紹介します。
4-1. 職場の人間関係で転職する場合
保育士の転職理由の第1位が、「人間関係の悩み」です。その人間関係をスタート時点が一緒になれるのが、オープニングの保育園です。
オープニング保育園のメリットは、スタッフ全員が同じスタートラインに立てて、連帯意識が芽生えやすいことです。前職で、人間関係で悩んだ方にはおススメです。
そんなオープニング求人が多いのが、「保育士バンク」「indeed」です。どちらもオープニングだけでなく保育士の求人総数も多いのも特徴です。
4-2. お給料などの待遇の不満で転職する場合
待遇や労働条件に対する不満も、大きな保育士の転職理由の一つです。古い体質の保育園の場合、「休憩が取りにくい」「サービス残業が多い」といった状況が存在することもあります。
そういった場合、土日がしっかり休めて労働時間が少ない傾向が強い事業所内保育所が、おススメです。また比較的ボーナスの水準が高いのも嬉しいですね。
そんな事業所内保育所の求人数が多いのが、『マイナビ保育士』です。保育士転職サイトの認知度が、4年連続No.1なのも安心です。
4-3. 働く時間に制限がある場合
結婚していて、お子さんの子育てとお仕事を両立させたい場合、転職エージェントの活用をおススメします。働ける時間が少ない場合は、派遣社員として働くという選択肢があります。
本サイトを運営している四季のいろ保育園では、応募者の方にぴったりの派遣案件をご紹介しています。こちらから、ご応募して頂ければ保育士経験があるスタッフが丁寧にサポートします。
5. 保育士求人案件に受かるための動画紹介
ここでは、保育士求人案件に合格するために役立つノウハウが解説されているYouTube動画をご紹介します。
5-1. ブラックな保育園とホワイトな保育園の見分け方
「せっかく新しい保育園に転職できたのに、入ってみたらイメージと全く違った…」。そんな転職の失敗を避けるために役立つのが、この動画です。
ブラックな保育園の3つの特徴「残業代が出ない」「職員が少ない」「お休みが取れない」という指摘は、参考になりますね。
『良い保育園に就職する方法🍼ブラックな環境?ホワイトな園?見分け方を教えます!✨』では、ブラックな保育園とホワイトな保育園の見分け方について、詳しく解説してくれています。
5-2. 保育士の面接で見られるポイント
自分の希望する保育士求人を見つけて応募し、いよいよ面接!やはり面接でどこが見られているのか気になりますよね。
「何を聞かれるそうか」を書き出してみて、「あらかじめ自分の答えを用意する」というアドバイスは、非常に参考になります。
『【就職活動】保育士の面接で見られるポイント【保育園/幼稚園】』では、採用する側の視点が、詳しく解説してくれています。
5-3. 面接で言ってはいけないワード3選
保育士の転職活動の面接トークで言ってはいけない3つの言葉、「紹介されてきました」「何でもやります」「ワークライフバランス」は説得力がありますね。
『【知らないとヤバい】保育士面接で必ず落ちるNGワード3選』では、保育士の面接トーク対策について、詳しく解説してくれています。
5-4. 保育士の転職体験者の実話
「退職届はいつ出す?」「園の引き止めにはどう対処すればいいの?」「園の見学はいくつした方がいい?」-保育士の転職活動には、不安が一杯です。
『転職活動の実体験を2人の現役保育士から聞きました!』では、現役保育士の転職活動の実体験について、詳しく解説してくれています。
6. まとめ
転職活動は、「新しい自分に出会える」最高の機会です。
自分自身を良い所も悪い所も見つめ直し、新たなスタートを切るためには、何より計画性と事前の準備が必要です。衝動的に行動を起こすのではなく、半年ぐらいは準備期間を設けましょう。
自分にピッタリな保育士求人案件を探し、園側がどんな保育士を求めているのかを把握しましょう。そして自分の強みと照らし合わせ、上手に伝える練習をしましょう。
どんな保育園も、やる気があり、求める実行能力がある保育士を求めています。本記事が、そのチャンスを最大限生かせるヒント
になれば幸いです。