保育士英語は、誰もが気になるテーマです。結論をから申し上げると、現時点においてほとんどの保育園では、英語力は必要ありません。
本記事では、以下のポイントについて、解説します。
・なぜ保育士に英語は必要ないのか?保育園の現状とは
・今後の保育園での英語教育はどうなる?
・実際の保育園での英語カリキュラムについて
・キャリアアップのための幼保英語検定とは
あらゆる分野で国際化が進む中、気になる保育園での英語教育について、是非見識を深めて下さい。
目次
1. 保育園の英語教育の現状
C子
私の保育園でも外部講師の先生が来られています~
確かに昔に比べると、かなり英語のカリキュラムを取り入れる園は増えているわね
A子
B子
この記事では、保育園での気になる英語教育について取り上げています。よかったら読んで見てくださいね。
小学校では、2020年より英語教育が必須化となりました。これは今後ますます進展するグローバル化に備え、国際社会で活躍できる人材を育成することが目的です。では、保育園の英語教育の現状はどのようになっているでしょうか?福岡市を事例に解説します。
保育士ナレッジの独自調査によると、2021年8月現在、福岡市の認可保育園268園中、英語教育を取り入れている保育園は88園、同じく福岡市の企業主導型保育園では、144園中25園が英語教育を取り入れているという結果でした。
この結果を見てもわかるように、保育園で英語教育を取り入れている割合は、3割程度で、まだまだ少ないことがわかります。また、英語教育を取り入れている保育園の中でも、毎日英語教育を行っている園はほとんどなく、多くても週に1度、少ない園では月に1度という内容でした。
ほとんどの保育園が外部講師を招いての授業を行っており、「保育士自身が英語を教える」というケースは少数でした。
1-1. 英語教育のカリキュラムがある保育園でも外部講師のサポート役
英語教育を取り入れている保育園では、外部講師による授業がほとんどです。保育士は外部講師のサポート役として、「授業に使う備品を準備する」、「音楽を流す」、「子どもたちが授業についていけているか見守る」など、英語教育中の時間は外部講師の補助的役割を担うため、英語力は必要ありません。
2. 今後の保育園での英語教育は?
冒頭でご紹介したとおり、まだまだ英語教育を取り入れている保育園は少なく、英語教育を取り入れている園でも、外部講師による授業になるため、現状として一般的な保育園で勤める保育士さんに英語力は必要ありません。
では、今後の見通しはどうでしょうか?まずは、子どもを持つ親の意識調査を以下紹介します。
2-1. 英語は親が習わせたい習い事で1位
株式会社株式会社イー・ランニング研究所が2020年に20代から50代の子どもを持つ親に行った『親が子どもに習わせたい習い事』の調査では、第1位が英会話スクール、2位が僅差でプログラミング教室となっています。
順位 | 習わせたいこと | 得票数 |
1位 | 英会話スクール | 63票 |
2位 | プログラミング教室 | 62票 |
3位 | スポーツ系 | 24票 |
4位 | そろばん教室 | 14票 |
5位 | 音楽系 | 12票 |
6位 | ユーチューバー、Vチューバ― | 7票 |
7位 | 学習塾 | 6票 |
7位 | 美術系 | 6票 |
7位 | 道徳 | 6票 |
10位 | 通信教育 | 5票 |
11位 | 将棋・オセロ | 2票 |
12位 | その他 | 1票 |
また、なぜその習い事をさせたいか?という問いには、「子どもの将来のため」という答えが88票とダントツとなっており、次の理由は36票で「2020年教育改革にむけて」という回答結果でした。
2-2. 保育園を選ぶ際に重視したポイントとは
親が子どもの将来や今後の教育改革に向けた準備として、「英語やプログラミングを習わせたい」と思っているというデータをご紹介しましたが、通わせる保育園を選ぶポイントはどうでしょうか?
株式会社明日香が保育園児を持つ保護者100名を対象に行った「見学前に保育園を選ぶ際に意識したポイント」の調査結果を、以下ご紹介します。
1位は60.5%で『家からの距離』、2位は『認可・認可外』となっており、3位に43%で『保育カリキュラム』がランクインしています。子どもに習わせたい習い事と同様に、子どもの将来に関する関心が高いようです。
3. 今後は英語教育などのカリキュラムを導入する保育園が増える?
現在は、英語教室をカリキュラムに導入する保育園は少ないですが、小学校での英語教育の必須化や親が保育園の選定に保育カリキュラムを重要視していることから、保育園側もそれに対応する動きが出てくることが予想されます。
3-1. そもそも保育園での英語教育とは?
保育園での英語教育といっても、中学校、高校のように教科書を用いた「読み書き」など学習させることではありません。あくまでも幼児を対象にしているため、「楽しむ」をテーマに、まずは英語に興味・関心をもってもらうことが本質です。実際に英語教育を取り入れている保育園のカリキュラムをご紹介いたします。
3-2. 四季のいろ保育園の取り組み
実施の保育園で行われている英語カリキュラムをご紹介します。四季のいろ保育園では、「保育の中で、英語に親しみ文化を知る」をテーマにカリキュラムが組まれています。
Greeting/ご挨拶 |
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JolyPhonics:フォニックス学習 |
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Theme/今月のテーマ |
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Moving activity/体を動かす活動 |
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4. キャリアアップに英語は必要
将来的に保育園での英語学習が必須になるかは定かではありませんが、小学校での英語教育必須化により、早くから英語に触れさせたいと考える親のニーズは高まっていることは間違いありません。また、そのニーズに対応する保育園が増えていることも事実です。
そうした中で、英語学習が実施できる保育士の役割は、保育園にとっても、保護者にとっても大変貴重な存在になるはずです。そうしたスキルアップを目指す方へ、「幼保英語検定」をご紹介します。
4-1. 幼保英語検定とは
一般社団法人保育英語検定協会が実施している幼保英語士資格認定試験(幼保英語検定)で、保育士免許を持っている者が試験に合格すると取得することができる資格です。
4級からエキスパートとして認められる1級まであり、4級では中学校初級~中級程度の英語力があれば合格できる内容のようです。受験料も3,500円とそれほど高くない費用となっています。まずは、キャリアアップのスタートとして挑戦してみてはいかがでしょうか?
※お問い合わせ先/一般社団法人保育英語検定協会
5. 最後に
いかがだったでしょうか?現在の一般的な保育園では、英語カリキュラムが導入されている保育園でもその授業は外部講師が担当しており、保育士は補助的業務のため、英語力は必要ないという結論でした。
しかし、今後は小学科での英語教育必須化により、幼児教育から英語に触れさせたいという親のニーズにより、保育園での英語教育に対する考え方が大きく変わっていくことも予想してされます。
今は必要ないからと考えるのではなく、今後のキャリアアップのために、幼保英語検定などの対策をされてはいかがでしょうか。