保育の現場は子どもの笑顔や成長に喜びを感じられる一方で、心身の不調や病気に悩む保育士さんも少なくありません。日々の忙しさや人間関係の負担から体調を崩してしまうこともあり、「自分だけかな?」と不安を抱える方も多いでしょう。
無理を続けてしまう前に、生活習慣の見直しやセルフケアはもちろん、職場環境そのものを考え直すことも大切です。場合によっては転職という選択肢が、心と体を守るための前向きな一歩になることもあります。
保育士ナレッジ編集部では、現役・元保育士の方々からお話を伺う中で、日常業務の中でストレスが積み重なり不調へとつながるケースが少なくないことを確認しました。本記事では、そうした経験談と現場の声をもとに、不調の種類と向き合い方を整理してお伝えします。
目次
1.どんな不調がある?

保育士さんが抱えやすい不調には、心身の両面があります。主な内容を整理すると以下のようになります。
1-1. 身体の不調
・腰痛・肩こり・腱鞘炎:抱っこや荷物運びで負担が蓄積。
・感染症リスク:風邪や胃腸炎など、子どもからのもらいやすさ。
・疲労や睡眠不足:行事準備や持ち帰り仕事による生活リズムの乱れから交通事故などにつながることも。
1-2. 心の不調
・ストレス・緊張感:保護者対応や人間関係の摩擦、疲労などが原因で体調を崩すことも。
・モチベーション低下:行事の多さや責任感から「燃え尽き症候群」に。
・メンタル面の不調:不安や気分の落ち込みなどにつながることも。
1-3. 職場環境由来の不調
・人手不足による過重労働:仕事量が多い・残業など。
・休憩時間が取りづらい:膀胱炎や、疲労の原因に。
・園の方針などがあわない:のびのび保育を望んでいたのに、園は厳しい規律がある。また評価や待遇への不満があるなど。
◎こうした不調は、日常の小さな積み重ねから大きな病気へと発展することもあります。
2.改善方法
これからご紹介する不調の改善方法は一例です。
自分に合った方法を見つけるためのご参考にしていただければ幸いです。
心身の不調が続くような場合は、早めに専門機関へご相談ください。
2-1. 身体の不調の改善方法
取材で伺った中でも、「腰痛・肩こり・腱鞘炎」「感染症リスク」「疲労・睡眠不足」は多くの保育士さんが悩んでいるテーマでした。ここでは、それぞれの原因と対策を具体的に整理します。

■ 腰痛・肩こり・腱鞘炎への対策
・正しい抱っこの仕方や姿勢を意識する。
・ストレッチやウォーキングなど、軽い運動を日課にする。
・職場に相談し、補助器具や分担を取り入れる。
■ 感染症リスクへの対策
・手洗い・うがい・マスクを徹底し、帰宅後はすぐ着替えたりシャワーを済ませる。
・免疫力を落とさないように、睡眠や栄養をしっかり確保する。
■ 疲労・睡眠不足への対策
・残業や持ち帰り作業を減らす工夫をする(ICTやアプリ、ChatGPTなどを活用)。
・就寝前はスマホを控え、深い睡眠を意識する。
・夜は「終わらないことを整理して出かけず」、しっかりと睡眠を確保する。
どの対策も「特別なことを頑張る」より、「小さな改善を積み重ねる」ことがポイントです。自分の体調や生活リズムに合わせて、無理のない範囲から取り入れていきましょう。
2-2. 心の不調の改善方法
心のストレスは、体の不調以上に気づきにくいことがあります。編集部が取材した現場の声からも、ストレスや緊張感、モチベーション低下、メンタル疾患のリスクなど、さまざまな要因が見えてきました。それぞれの改善方法を紹介します。

■ ストレス・緊張感への対処
・感情を溜めこまず、同僚や友人に話してみる。
・必要に応じて、専門のカウンセリングを受ける。
・趣味やアロマ、温かいお風呂など、自分なりのリラックス法を取り入れる。
■ モチベーション低下(燃え尽き症候群など)への対処
・小さな成功や、子どもの成長を記録して振り返る。
・仕事とプライベートの切り替えを意識し、完璧を求めすぎない。
・「できたこと」を自分で認める時間を持つ。
■ メンタル疾患のリスクを減らすために
・不眠や食欲不振などが続く場合は、早めに専門機関へ相談する。
・悩みを一人で抱え込まず、周囲とつながりを保つ。
・深呼吸やストレッチ、短い散歩など、意識的にリラックス時間を作る。
・SNSや情報から少し距離を置く時間を設け、心を休める。
また、ある調査では「読書をするだけでストレスが68%軽減された」とも報告されています。無理をせず、少しずつ自分のペースでリセットできる時間を見つけましょう。
2-3. 職場環境由来の不調の改善方法
職場環境によるストレスは、身体や心の不調の原因として多く挙げられます。編集部が取材した中でも、「人手不足」「休憩時間が取れない」「評価や待遇への不満」は特に共通して見られました。それぞれの改善方法を紹介します。

■ 人手不足による過重労働
・ICT(保育アプリやタブレット)を導入し、手書き業務を減らす。
・業務時間内に書類処理を終えられるよう、スケジュールを工夫する。
・週1回などの短いミーティングで進捗や不満を共有し、早めに調整する。
■ 休憩時間が取りづらい
・シフトの組み方を見直し、必ず交代で休憩を取れるようにする。
・膀胱炎などの体調不良を防ぐためにも、無理をせず周囲に協力をお願いする。
・園全体で「休憩を取る文化」をつくる意識を持つ。
■ 園の方針や評価・待遇への不満
・給与や福利厚生など、制度的に改善が難しい場合は、人材紹介サービスを利用して自分に合った園を探すのも一つの方法。
・転職を前向きな選択と捉え、「自分がどんな保育をしたいのか」を再確認することで、次の職場選びに活かせます。
仕事にやりがいを感じながらも、ストレスをためてしまう保育士さんは少なくありません。
「もう少し自分らしく働きたい」「安心して長く続けたい」と感じたときは、思い切って環境を変えることも大切です。
もし職場環境に悩んだときは、転職支援サービス「保育士コネクション」で、自分に合う園を相談してみるのも一つの方法です。
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転職は「逃げ」ではなく、自分を守るための大切な一歩。
無理を続けて心身を壊してしまう前に、安心して働ける環境を選ぶことが、子どもたちの笑顔を守ることにもつながります。
3.保育士の資格で働くことができる場所
保育士は、今の社会で需要が高まっている仕事です。その理由は、なかなか解消されない待機児童の問題や、保育士の求人が多く人手が足りないこと、共働き家庭の増加、そしてAIでは代わりができないことなどです。
また、保育士が専門資格として認められたことにより、今後、活躍できる職場はさらに広がると考えられます。

4. 転職を選択した場合のステップ

心や体の不調が続いたり、職場環境にストレスを感じたとき、焦らず一つずつ進めるのが安心です。下の手順を上から順にチェックしていきましょう。
1
自分の希望条件を整理する
- 勤務時間・通勤距離・給与/手当・休暇制度・園の規模/方針などを洗い出す。
- 「譲れない条件」「あれば嬉しい条件」を分けて明確化。
2
情報収集を行う
- 保育士専門の求人サイト/人材紹介会社で募集要項を確認。
- 見学・説明会で園の雰囲気、休憩や残業の実態をチェック。
- 働いている保育士の口コミや評判も参考にする。
3
人材紹介サービスを活用する
- 希望条件を共有し、合う園を提案してもらう。
- 書類添削や面接対策などのサポートを受けて負担を軽減。
4
応募・面接を透明に進める
- 経験/実績を整理して自己PRを作成。
- 勤務体制・残業・休憩制度などの質問を事前に用意。
- 複数園を比較し、条件だけでなく環境面も見比べる。
5
退職・引き継ぎを円滑に
- 退職届や引き継ぎリストを準備し、段階的に共有。
- 園への伝達タイミングを配慮し、誠実に対応する。
6
転職後も見直しを続ける
- 不安や違和感を無理に我慢せず、早めに相談/調整。
- 定期的に「希望条件」と「実際の働き方」が合っているかを点検。
職場選びに迷ったときは、転職支援保育士コネクションに相談してみるのも一つの方法です。
5.まとめ
いかがでしたか?
編集部が伺ったお話の中にも、保育士が仕事を続ける中でストレスに悩み、当時は病気の情報や同じ境遇の方の経験談をネットで必死に探していたという声がありました。
振り返ると、ひとりで抱え込んでしまったことが症状を悪化させた要因だった、という意見も少なくありません。もし早めに対策をとったり、転職という選択をしていれば、健康的で自分に合った働き方ができていたかもしれません。
これからは、ICTやChatGPTなどを上手に活用して業務改善を図り、さらに保育士ナレッジで紹介しているような支援サービスも取り入れながら、自分に合った職場環境で働けるよう、一歩踏み出してみませんか?
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