保育の現場では、身近な廃材を工夫して遊びに取り入れる場面が多くあります。今回は牛乳パックや段ボールを使った「手作りパズル」をご紹介します。環境にやさしいだけでなく、子どもたちの想像力や指先の発達を促すねらいもあり、形や色への興味を自然に育むことができます。世界に一つだけのオリジナルパズル作りを通して、遊びながら学び、季節の行事や自然に子どもたちが興味を持てるきっかけをつくってみませんか。
1. 廃材を使った手作り玩具のねらい
廃材を活用した玩具づくりには、いくつものねらいがあります。身近な素材を再利用することで、子どもたちの物を大切にする気持ちや環境への関心を育てることができます。また、廃材ならではの多様な形や質感が創造力を刺激し、遊び方を工夫する力を養います。さらに、保育者が年齢や発達に合わせて難易度を調整できるため、一人ひとりに合った遊びを提供できるのも魅力です。自分の身近なものから生まれた玩具で遊ぶことで、親しみやすさや安心感を持ちながら、楽しく学ぶ経験につながります。
▼新人C子

C子
いつも同じ玩具だけで子どもたちも少し飽きてきているような気がするんです。
▼中堅B子
じゃあ廃材を使って玩具を手作りするのはどうかしら。

B子
▼ベテランA子

A子
手作り玩具なら季節の行事や自然を取り入れることで保育の導入にもつなげやすいわよ。
2. 廃材を使った手作り玩具
廃材を使った手作り玩具は低コストで子どもの発達に応じた物を作ることができます。楽器や知育玩具など様々な保育の用途に応じて作ることができますが、今回は手先の器用さや集中力、創造力を養うことのできるパズルに特化してご紹介します。
※本記事では牛乳パックを使用する手作り玩具をご紹介しています。よく洗って乾燥させたうえで、アレルギーのあるお子様が遊ぶ際には十分ご注意ください。
2-1. 廃材を使った手作り平面パズル
■準備するもの
・段ボール
・カッターナイフ
・イラスト
・のり
・OPPテープ
・ボンド
・ペン

1. 段ボールをカットする
段ボールをイラストと同じ大きさで2枚用意します。

2. イラストを貼り付ける
2枚のうち1枚に、全面にのりを塗ってイラストを貼ります。

3. 表面を補強する
イラストの上からOPPテープを全体に貼ります。

4. 台紙を作る
3で貼ったものを、縁を2.5㎝残して切り抜きます。

5. 枠を貼り付ける
もう1枚の段ボールに穴を開け、4で切り抜いた縁をボンドで固定します。

6. ピースを作る
残った中央部分を好きな形に切ってピースを作ります。

7. 完成
ピースを枠にはめ込み、台紙部分にガイド線を引いたら完成です!

※年齢に応じてピースの数や形を調整すると難易度が変わり、より楽しめます。
2-2. 廃材を使った手作り立体パズル
【キューブパズル】
■準備するもの
・牛乳パック
・はさみ
・油性ペン
・セロハンテープ
・定規

1. 牛乳パックを開く
牛乳パックを写真のように切り開きます。

2. パーツを切り分ける
端から6.5㎝ずつ線を引き、3枚に切ります。

3. イラストを描く
3枚にそれぞれ2種類の絵を描きます。

4. 組み立てる
AとCを組み立ててセロハンテープで固定します。

5. 仕上げ
間を通してBを組み立て、セロハンテープで固定すれば完成です!

絵柄を揃えて遊びましょう♪

【6面パズル】
■準備するもの
・牛乳パック×4個
・はさみ
・定規
・ペン
・セロハンテープ
・フェルト
・針
・糸
・ボンド

1. 立方体を作る
キューブパズルの3の工程を省き、立方体を4つ作ります。

2. 下地を用意する
4つを合わせた大きさに合わせてフェルトを切ります。

3. 模様を貼る
好きな模様に切ったフェルトをボンドで仮留めします。

4. 縫い付ける
模様を4分割し、それぞれを縫い付けます。

5. 貼り付ける
縫い付けたフェルトをキューブに貼ります。

6. 向きをそろえて貼り付ける
4つのキューブを同じ方向にそろえ、各面に模様を貼り付けていきます。

7. 完成
6面すべての模様を仕上げたら完成です! 面を回転させて絵柄をそろえて遊びましょう。

3. 編集部豆知識
今回ご紹介したパズルの模様は秋にちなんだものを作成しました。その一つが「かぼちゃ」です。秋の味覚としてはもちろん、ハロウィンの象徴としても知られています。子どもから「なんでハロウィンでかぼちゃを飾るの?」と聞かれることもありますよね。
・ハロウィンはヨーロッパで始まったお祭りで、秋の収穫に感謝し、悪い霊を追い払う行事でした。
・人々は悪霊から身を守るため、怖い顔を彫ったかぶやかぼちゃを家の前に置くようになりました。
・アメリカに伝わったとき、かぶの代わりに育てやすいかぼちゃが使われるようになり、「ジャック・オー・ランタン」が定着しました。
・今では悪霊を追い払う意味だけでなく、秋の象徴として親しまれています。
子どもたちに行事の背景を伝えることで、遊びや制作がより深い学びにつながりますよ。
4. 廃材を使った手作り玩具のまとめ
いかがでしたか。今回は廃材を使った手作りパズルについてご紹介しました。廃材を使った手作りパズルは、身近な素材で手軽に取り入れられる保育活動です。自由に形や絵柄を作って遊べるため、形や色、数や並びへの興味も育みます。また、季節感や行事と結びつけることで、子どもたちが自然や季節の変化に興味を持つきっかけにもなります。
牛乳パックや段ボールなど簡単に手に入る素材でできるので、環境にもやさしく、保育者にとっても準備がしやすいのが魅力です。子どもたちの発想力を引き出し、楽しい学びの時間をつくるために、ぜひオリジナルの手作りパズルを取り入れてみてくださいね。
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