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保護者対応の基本と実践例|保育士の関係づくり

子どもとの関わりを深めるには、保護者の方との円滑なコミュニケーションが欠かせません。長期の休み明けで不安を感じる子どもが安心して登園できるように、保護者の方から家庭での様子を聞くこともとても大切です。
しかし、保護者の方とやり取りできるのは、登降園時や連絡帳など限られた時間や手段に限られるのが現実です。

そこで今回は、保護者の方が保育園や保育士に求めていることや、本当は伝えたいけれど言い出しづらいことなどをご紹介します。
あわせて、実際に保護者の方が保育士に相談された事例もご紹介します。
日々の業務の中で大変かと思いますが、子どもの健やかな成長のためには家庭との連携が不可欠です。子どもの様子だけでなく、保護者の方の気持ちにも目を向け、ちょっとした時間にお話ししてみてはいかがでしょうか。

制作

1.保護者との関わりの重要性

保育園で子どもと接するうえで、保護者の方との連携はとても大切です。子どもの「好きなこと」や性格を把握するために、家庭での過ごし方や園での様子を保護者の方と共有することで、その子に合った保育を考えることができます。

また、家庭と園での様子が異なるという話はよくあります。そんな時は、保護者の方の不安な気持ちに寄り添い、思いやりのある言葉をかけることが大切です。これにより、心理的な負担を和らげることができ、保護者の方の子育てへの自信にもつながっていきます。




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C子

連休明けの子どもたちが不安を感じているみたいで、どうすればいいんでしょうか。


そんなときは保護者の方に家庭での様子を聞いてみたり、連絡帳を活用してみたりするのがいいんじゃないかしら。

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B子


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A子

保護者の方も本当は話したいことがあっても遠慮していたり、なかなか言い出せなかったりする方もいるから、普段から積極的にコミュニケーションを図っていくといいわよ。

2.保護者の声と関わる際の留意点

編集部では、実際に保育園にお子さんを預けている方、または過去に預けていた方を対象にアンケートを実施しました。ここではその一部をご紹介します。


2-1. 保育園を選ぶ際に重視した点は?

保護者の方が保育園を選ぶ際に重視しているポイントには、いくつかの傾向があります。以下に、主な項目をカテゴリ別にまとめました。

教育・保育方針環境・設備利便性・コスト
保育理念(自主性重視など)
教育内容(英語・絵画など)
保育士の雰囲気や姿勢
園庭の広さ
清潔感や設備の整備状況
園内の安全性や開放感
自宅・職場からの距離
保育料・雑費などの費用面
延長保育の有無と料金

さらに、保護者の関心は「保護者負担(行事や準備物)」「園の連絡体制」「口コミや評判」「思想が強すぎないか」などにも及んでいます。

保育士としてはすべてを変えることはできません。しかし、日々の笑顔や丁寧なあいさつといった態度は、園の印象を大きく左右します。選ばれる園であるためにも、日々のふるまいを意識していきましょう。

2-2. 保育士との関わりの中で気になったことやお願いしたことは?

保護者の方からは、保育士との関わりの中で感じた不安や、改善を望む声も寄せられました。ここでは、内容ごとに分類してご紹介します。

安心感や信頼感にかかわること

  • 慣らし保育の際に職員の紹介や名札がなく不安だった。
  • 保育士と目が合っても挨拶がなかった。
  • 表情が硬く、子どもへの声かけが少ないように感じた。

保育士の日々の態度や雰囲気は、保護者にとって大きな安心材料になります。したがって「話しかけやすい空気づくり」も信頼関係の第一歩です。

園生活の様子が見えづらい

  • 食事内容の掲示や写真がなく、何を食べているか分からなかった。
  • 連絡帳が返ってこない日があった。
  • 園だよりや諸連絡が遅れたり、文章が分かりづらかった。

家庭と園をつなぐ情報共有は、保護者の安心と信頼に直結します。小さなことでも「伝わっている」という実感が大切です。

衛生・安全への配慮

  • エプロンに大量の食べこぼしがついたまま返却された。
  • 怪我をしたことが報告されなかった。
  • 持ち物の入れ間違いがあった。

日々の忙しさの中でも、基本的な確認や報告を徹底することで、保護者の不安を減らすことができます。

個別の要望や配慮してほしいこと

  • 嫌いなものを無理に食べさせないでほしい。
  • 子どもをあだ名で呼ばないでほしい。
  • 箸の使い方を教えてほしい。
  • 男性保育士に抱っこしてほしくない。
  • 特定の保育士を怖がっているので担任を変えてほしい。

こうした要望には個人での判断が難しいものもあります。必要に応じて主任や園長と相談し、園全体で対応していく姿勢が求められます。

対応に迷う家庭からの依頼

  • 朝ごはんを食べさせる時間がなく、園で何か食べさせてほしい。
  • 体調が悪いのは分かっているが、登園させたいので途中で連絡を入れてほしい。

保育の範囲を超える依頼には、共感を示しつつも線引きをしっかり行い、丁寧な説明が必要です。

2-3.家庭と保育園での違いで気になったことは?

家ではトイレに行けるのに…

家庭ではトイレに行けているのに、園では失敗してしまうことに戸惑う保護者の方がいます。緊張や環境の違いからくることも多いため、焦らず丁寧なサポートが必要です。

園では泣かないけれど、家では泣く

「保育園では泣かないそうなのに、家に帰るとすぐ泣いてしまう」と感じる保護者の方もいます。園で頑張っている反動が家庭で出ていることもあります。

家庭での偏食と園での完食のギャップ

「家では好き嫌いが多いのに、保育園では何でも食べているようだ」という声もあります。園での集団生活が良い影響を与えていることもあるので、ポジティブに伝えましょう。

お昼寝しない子が園ではぐっすり

家庭ではお昼寝しない子が、保育園ではしっかり寝ているというケースもあります。安心できる環境であることを伝えると、保護者の安心にもつながります。

甘えが家庭で爆発してしまう

園ではいい子で頑張っている分、家庭では甘えが爆発してしまうことがあります。これは子どもが安心できる存在が家庭にある証拠ともいえます。

このように、園と家庭での様子にギャップがあると保護者の方は不安を感じがちです。そのような時こそ、園での頑張りや成長の姿を具体的に伝えることが、保護者の安心や信頼につながります。

2-4. 保育士からのアドバイスで役立ったことは?

「今のままで大丈夫」という言葉が心に残った

育児に不安を感じていたとき、「今のままで十分頑張ってますよ」という保育士の言葉に救われたという声がありました。ちょっとした共感や励ましが、大きな支えになることがあります。

子どもの成長を一緒に喜んでくれた

「できるようになりましたね!」「よく頑張っていますよ」といった言葉が、保護者の安心と自信につながったという声もありました。

行動の背景を説明してくれた

気になる行動について「それは発達の一環ですよ」と教えてもらい、焦らず見守ることができたという保護者もいました。専門的な視点での説明は安心材料になります。

焦らなくていいというスタンスに救われた

他の子と比べてしまい落ち込んでいたとき、「その子のペースがあるから大丈夫」と言ってもらえて心が軽くなったという声が複数ありました。

保育士の何気ない一言が、保護者の不安を和らげ、前向きな気持ちに変えることがあります。専門性に裏付けられた言葉と、あたたかいまなざしの両方を大切にしたいですね。
保育士派遣

2-5.その他保育士や保育園に対して伝えたいことは?

アンケートには、保育士や保育園への感謝の言葉とあわせて、より良い関係づくりへの要望も寄せられました。以下に、代表的な声をまとめています。

感謝の声改善を望む声
毎日丁寧に子どもを見てくれて感謝しています。忙しそうで話しかけづらい雰囲気がある。
子どもが楽しそうに通っていて安心しています。連絡が簡素で、もう少し丁寧に伝えてほしい。
先生の笑顔に毎朝救われています。先生によって対応の差を感じることがある。

そのほか自由記述で寄せられた声

  • もう少し気軽に話せる雰囲気があればうれしいです。
  • 担任だけでなく、他の先生方とも話しやすいと安心です。
  • 保育のプロとして、時にはきっぱりアドバイスもほしいです。
  • 毎朝バタバタしていても、先生の一言に救われることが多いです。

多くの保護者が、感謝とともに「もっと良い関係を築いていきたい」という前向きな気持ちを持っていることが伝わってきます。日々の小さなやり取りを大切にしながら、保護者との信頼を育んでいきましょう。

3.あなたは大丈夫?保護者対応チェックリスト

保護者との信頼関係は、日々の小さな積み重ねから生まれます。
以下の項目にチェックを入れながら、日々の関わりを振り返ってみましょう。

チェック項目チェック欄
登園・降園時に、笑顔であいさつをしている
子どもの様子を具体的に伝えている
連絡帳に温かい言葉を添えている
保護者の話に耳を傾け、共感の姿勢をもっている
「お疲れさまです」など、ねぎらいの言葉を伝えている

3つ以上当てはまれば、保護者対応はかなり意識できているはず!
まだの項目があれば、これからの関わりのヒントにしてみてくださいね。

4.保護者対応において大切にしたい視点

子どもを真ん中にした関係づくり

保護者対応は「子どものため」という共通の目的に向かうパートナーシップです。どちらかが主・従になるのではなく、子どもを中心に据えて、お互いの立場を尊重しながら関係を築くことが大切です。

相手の立場や背景を想像する

保護者にもさまざまな事情や価値観があります。「なぜそう言ったのか」「どんな状況かもしれないか」と想像力を持って接することで、トラブルを防ぎ、信頼の土台をつくることができます。

話しかけやすい雰囲気づくり

保護者が何かを相談したいと思ったとき、「忙しそう」「声をかけづらい」と感じさせない雰囲気をつくることも、保育士の大切な役割です。笑顔、あいさつ、ちょっとした一言で印象は大きく変わります。

保育士同士の連携で安心感を

担任だけでなく、園全体として共通のスタンスを持つことが、保護者にとっての安心感につながります。また、職員間での情報共有や相談しやすい関係性も、結果的によりよい保護者対応につながります。

5.まとめ

保護者対応は、すぐに結果が見えるものではありません。しかし、日々の積み重ねがやがて大きな信頼につながっていきます。

子どもの健やかな育ちを支えるためには、家庭との連携が欠かせません。だからこそ、保護者との関わりに少しだけ目を向けてみる。忙しい中でも、「今日もがんばっていますね」といった一言が、大きな安心や励ましになることもあります。

すべてを完璧にこなす必要はありません。一歩ずつ、自分にできることから始めていきましょう。あなたのその思いは、きっと保護者にも伝わっていきます。

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