保育士の悩みとは、保育だけでなく、人間関係やイベント運営、保護者との信頼構築、事務作業など様々です。
どんな仕事でも、最初の1~2年目には必ず悩みがでてくるものです。保育士も同様で、保育所の現場での仕事を覚えることで精一杯になりがちです。
幼児と楽しくやるにはどうしたらいいのか、行事の運営はどうするのか、保護者への対応など、1年目の悩みは尽きません。
具体的な悩み事例から対処法までを、本記事でご紹介致します。
目次
1. 保育士になってから感じること
C子
私も、1年目はたくさん悩みました~
1年目はしょうがないよ、すべてが初めてなんだから
B子
A子
誰にでも1年目はあるんだから、悩んでいるのは自分だけじゃないことを知ってほしいわね。この記事では先輩たちが悩んできたことが載っているので、一人で抱え込まず記事を読んでみてね。きっと解決する力は養えるから!
1-1. 保育学生から社会人へ
保育学校とは約2~3年通い資格取得の為の授業を受けます。一般的な4年大学とは違い1つの単位を落としても論文や補修で補えるといことではなく、きちんとしたカリキュラムのもと日々決められた授業を受けないと単位は取得できません。
特に単位実習では、夏休み・冬休み・春休みを使い、指定された保育園や施設に行き、30日間通うことや住み込みで実習を受けることもあります。日々のカリキュラムは落とせませんので、休みに実習をこなさないと単位を落とすことになります。
4年大学の就活は早くても3年生から始めるかと思いますが、保育学校の大半は2年間という短い時間で就活をすることになります。また、近年は実習で良い学生は保育園側からスカウトされる事例も少なくありません。よって、4年大学とは違い、入学した時から就活が始まっていることになります。
1-2. 1年目の離職率
厚生労働省の調査では、勤続年数が8年目以上の離職率は 6~7%と少ない傾向にあるものの、勤続年数が4年未満の離職率は28.5%と圧倒的に高く、そのうちの 14.9%は2年未満の保育士が離職しています。
※引用:平成25年社会福祉施設等調査(厚生労働省統計情報部)
1-3. 実習とは違う実際の仕事現場
大きな悩みの原因の一つは、実習で感じていたイメージと実際の現場とのギャップです。実習では子ども達と同じ時間を過ごすため、子ども達の目線での保育士しか見えなくなる傾向があります。先生の声かけにより子ども達の反応をみることに精一杯になり、実際の保育士の動きについていけないという側面もあります。
教育熱心な保育士の人によっては、「1年目では悩み、2年目で自分の保育士像が構築できる」という方もいます。。
2. 保育士の悩みに関するYouTube動画人気ランキング紹介
仕事や人間関係でで悩みを抱えている人にとって、独自の解決方法を提案してくれるYouTube動画は有難い存在です。ここでは保育士業界に詳しい人間の解説系YouTube動画で、再生回数の多い人気ランキングを以下にご紹介します。
1 | みんなのトラウマ「置いてっちゃうからね!」のヤバさと対処法を解説 | 1,310,000回 |
2 | 本が好きな子どもの親がやっている習慣と保育士オススメ方法 | 680,000回 |
3 | 今日からできる!物覚えが早い子どもは、ここが決定的に違う | 136,000回 |
4 | 子どもを叱る前に【これを言うだけで】きちんと聞いてくれる | 113,000回 |
5 | 【保育士もつかう言い換え5選】圧倒的に子どもが納得する言葉かけの方法 | 100,000回 |
6 | 子どもが大人を叩いてくる!そのお悩み【一発で解決】します! | 47,000回 |
7 | 【ひろゆき✕てぃ先生】子育て・保育の「なんで?」を解決 | 39,200回 |
8 | 【優秀な保育士の使用率100%】叱らずに子どもが変わる究極の魔法 | 37,500回 |
9 | 【子育てのイライラ】を減らすことができる、今すぐ始められる簡単な方法 | 35,000回 |
10 | 保育士も実践!人前で子どもが【失礼なことを言わなくなる】方法 | 24,000回 |
(※2021年10月17日時点データ)
3. 1年目の悩み
3-1. 子どもとの距離感
厚生労働大臣指定の養成学校を卒業すると、入職日まで研修として保育園に勤務することもあります。大きな保育園では、職員紹介で壇上にて挨拶をするところもあります。子ども達との顔合わせに自分をどれだけアピールできるか、そこで子ども達は初めての大人との距離感をつかむでしょう。
子ども達には、謙遜や遠慮というものはありません。自ら声をかけてくれる子・人見知りをする子・生意気な子 など新しい大人に対して様々な距離感をとってくる子がいるでしょう。どれだけ手遊びやピアノが弾けたとしても、人気のない先生はいます。ではどういった先生が、子どもの心をつかむことができるのでしょうか。
子どもから好かれる先生の特徴として、「手遊び」や「ピアノが弾ける」といったスキルは絶対的な条件ではありません。重要なポイントは、子どもを自分に注目させる引き出しを持っているかどうかです。そのためには日頃から園児一人一人の性格や個性、何に興味をもっているかを把握し、それぞれの子どもが好反応を示す引き出しをできるだけ準備しておくことが大切です。
3-2. 園内行事に追われる日々
保育園には、大きい行事と小さい行事があります。大きな行事といえば、運動会や発表会など保護者参加型。小さい行事は毎月のお誕生会などです。
また、各園により独自の行事を行う園もあります。ぜひ、保育園選びでは行事もしっかり見て欲しいものです。現在は少なくなりつつありますが、手作りの製作物を必須としている園もある為、行事そのものが楽しめない・製作に追われて保育が手につかないなどといった、本来の保育士業務を妨げるものになりうる可能性があります。
これが、後々の離職理由にも繋がります。またここで必要なことは、計画性を持って行事を進めることと周りに頼ることです。しっかり計画をしていても間に合わないことがあるかと思います。取返しがつかなくなる前に、先輩や同期に相談する関係を持っておきましょう。決して一人で抱え込むことはしないように、心がけましょう。
3-3. 先輩保育士との人間関係
前項でも上げた人間関係は、どんな職業でも悩む人が多いと思います。女性が多く働いている職場では、よくある悩みです。
今ではパワハラなどの報告は少なくなりつつありますが、まだ、古き良き時代の保育を守っている園もあります。凝り固まった柔軟性を持たないベテラン保育士、強く当たることが正義と思っている保育士、様々な保育士がいる中で、良好な人間関係を構築するのは容易なことではありません。
だからこそ、最初の1年目はあまり背伸びをしないことです。どんな先輩保育士も、後輩を可愛がりたいものです、「先輩に上手に甘えられる」「頼る」ことで、先輩の懐にスッとは入れるスキルも気持ちよく働くためにはとても大切な要素です。
3-4. 保護者への対応
近年“モンスターペアレント”という言葉は、普通に聞く言葉になりました。それまでは普通だった保護者があるトラブルをキッカケに豹変したりと、いつどこで起こってもおかしくありません。
どんなトラブルでも保護者が若手保育士に感じること、それは「自分の子どもも育てていないのに、親の気持ちはわからない」ということです。中には子育てをしながら働いている先生もいるでしょうが、大半は独身であり、経歴もも浅い先生が多数です。
確かに子育て経験はなくとも、その分子ども達の勉強は保護者よりたくさんしているのです。そこは、自信を持って接しましょう。
<①クレームが起こった時の対処方法>
クレームへの対処方法に、確実な正解はありません。しかし、きちんと対応する姿勢と報告を忘れないことが重要です。クレームがどのぐらいの大きさなのか、自分で対応しても良いのか、これを判断するためにも先輩に相談は不可欠です。自分ひとりで解決しようとすると返って二次クレームになりことが大きくなる可能性もあります。まずは、必ず先輩へ報告をしましょう。
<②プライベートでの保護者対応の注意点>
保育園の近所に住む保育士あるあるで、買い物に行った先に保護者が居たというケースです。いつどこで見られているかわからないという気持ちで外出しましょう。ハメを外すことは、時には必要です。しかし、万が一よくないところを見られると、たちまち噂になることも。若手保育士は保護者との距離を詰めたいからと、プライベートでも仲良くすることも少なくないですが、一歩間違えれば先生と友人という境界線が見えなくなり、無理難題をお願いされ結局自分ではどうにもならなくなるからです。かといって知らんぷりすることは、余計によくないです。社会人としての礼儀を持ちつつ程よい距離感を保ちましょう。
<③救われた保護者の温かい言葉>
前項ではモンスターペアレントやクレーマーなど保護者の良くない事例を出してきましたが、全員がそういうだけではないことは知っておいて欲しいです。子ども達だけでなく、保護者から勇気づけられることも多くあります。ここでは、実際に保育士へ寄せられた感謝のメッセージをご紹介します。こういった言葉をもらえるような保育士になれるといいですね。
・保育士1年目の先生へ
保護者「知らない先生に懐かない息子が、○○先生の話をよく家でしてくれるんです!」
・保育士2年目の先生へ、クラス編成が行われた後
保護者「○○先生が持ち上がってくれてうれしいです!」
・保育士1年目の先生へ、卒園後兄妹児を担任をして
保護者「お兄ちゃんを可愛がってくれた、○○先生に妹を担任してほしいです」
B子
同じ悩みをかかえている人が、多いことがわかるね
1年目は、いろんなことにぶつかることがよくわかるな~ほかにもいろいろ検索してみよっ
C子
4. 1年目だからできること
1年目でよくあるのは、せっかくの休みに持ち帰りの仕事やピアノの練習で休日を過ごすというパターンです。こういった過ごし方は良く見かけます。ピアノの練習は毎日しないと手が追い付かない側面がありますが、製作物や保育日誌など持ち帰ってまでしてしまうことは良くないとされています。
電子化が進み専用端末で保育日誌を書いたり、製作物は外注している園も増えていますが、まだまだ保育士への負担は減ってはいません。しかし、年間を見た時に繁忙期と閑散期があり、到底繁忙期には他の月の行事を考えられる余裕もありません。
逆に閑散期にはどの月の行事や書類が回ってきてもいいように、下準備をしておくことが繁忙期を乗り越えられる布石となるのです。保育士歴が上がってくると役職がつき、通常保育ではない業務も増えてきます。だからこそ、若手保育士の時に今後自分が楽に保育をできる環境を整えておきましょう。
5. 悩みを今後のキャリア人生の糧に
若手保育士の悩みは、今後の自分のキャリア形成に大きく影響します。どの保育園にもいる憧れられる・慕われている保育士、もちろんそういった先生は保護者の評価も高い傾向にあります。
経験年数で同じ悩みを持ち、きちんと解決できるからこそ相手に寄り添いアドバイスを送れる、ただの保育の技術だけではない周りの人に相談できる環境である、これにつきます。
“悩んでいるということを、先輩に相談する”。これは、先輩に自分の進捗を報告することと同じ。先輩も手を差し伸べてあげたいが、進捗を報告していないと差し伸べられた手も、手遅れになり、せっかく関係を構築してきたものも崩れてしまいます。
先輩からのアドバイスをしっかり聞き、なりたい保育士になるためにたくさん悩んで解決することが近道といえるでしょう。
6. まとめ
保育士1年目の悩みと対処法についてまとめると、以下になります。
◇2年未満の離職率は14.9%
◇子どもとの距離感がつかめない→常日頃から子どもを注目させる引き出しを準備しておく
◇園内行事に追われる→先輩や同期に相談する関係を持っておく
◇先輩保育士との人間関係→上手に甘えられる・頼ることで、懐にスッと入れるスキル
◇保護者への対応→先輩への報告、程良い距離感
1年目というまだ経験が浅い段階では、多くの保育士は現場での仕事に慣れるのに精一杯です。だからこそ、同じ道を通ってきた先輩に些細な事でも相談し、アドバイスを受けることが大切です。また相談することで、先輩との関係性もでき、業務のおけるチームワーク効果も生まれます。どんな悩みも、自分一人で抱え込まないことが重要です。