卒園式は、子どもたちの成長を祝う大切な日です。
また、先生たちにとっても、一緒に過ごした時間を振り返り、新たな門出を見守る特別な瞬間となります。
卒園式の当日は、服装や持ち物の準備だけでなく、子どもたちや保護者への関わり方も重要です。
どんな心構えで臨むべきか、当日の流れや注意点を知っておくことで、よりスムーズに迎えられます。
本記事では、卒園児担任ではない保育士の視点から、卒園式の服装・持ち物・ふるまい方を詳しく解説します。
ぜひ参考にして、子どもたちの門出を温かく見守りましょう!
目次
1. 保育園の卒園式とは
C子
卒園式って参加したことないし不安…服装もどんな服を着ていけばいいのかな?
なかなか参加したことがない行事だし、不安だよね…
B子
A子
せっかくの感動的なセレモニーなのに、不安を抱えたまま出席するのはもったいない!
■ 卒園式の目的
保育園の卒園式とは、子どもたちが成長し、新たな環境へと旅立つ大切な節目の行事 です。
日々の保育を通じて培われた力を振り返り、子どもたちの未来を祝福する場でもあります。
■ 保育士の役割
保育士にとって卒園式は、一人ひとりの成長を実感し、積み重ねてきた時間が形となる感動的な瞬間 です。
また、保護者にとっても、子どもが保育園で過ごした日々を思い出しながら、新たなステージへ送り出す特別な日となります。
これから保育士を目指す方にとっても、卒園式は「子どもを見守り、成長を支える仕事のやりがい」を知る機会 になります。
したがって、子どもたちが自信を持って次の一歩を踏み出せるよう、日々の保育が卒園式の成功につながることを意識しながら取り組んでいきましょう。
2. 卒園式の準備と流れ
卒園式の準備は、卒園児担任でなくても欠かせません。そのため、 スムーズに当日を迎えるためには、事前に準備の流れを把握し、余裕をもって取り組むことが大切です。
ここでは、卒園式までに必要な準備や当日の流れを詳しく解説します!
2-1. 卒園式の事前準備(会場設営、必要なもの)
📌 卒園式の進行確認とリハーサル
- 司会や進行役の確認、保育士同士で動きの打ち合わせ
- 園児の入退場の流れや座る位置をチェック
- 子どもたちが自信を持って参加できるよう、リハーサルを実施
- マイクやスピーカーなどの音響設備の動作確認
🎈 会場(ホール・園庭)の準備
- 横断幕や花などの装飾、祝電を貼る台紙の準備
- 保護者席の配置(出席者数に応じた座席確保)
- 迷わないように案内板を設置(認可保育園など)
📢 保護者への連絡・案内
特に、 保護者との円滑な連携が重要です
- まず、 当日の流れや注意事項を事前に説明し、不安を解消
- さらに、 園児の体調管理について連絡(発熱時の対応など)
🎀 必要な備品・小物の準備
- コサージュ作り(卒園児用の花紙コサージュ)
- 卒園セレモニーの準備(風船飛ばしやクラッカーなど)
- 卒園児用の花束手配(ミニブーケや一輪の花など)
- 立て看板の準備(「令和○○年 卒園式」の撮影用看板)
2-2. 卒園式の当日準備と対応
🏫 会場の最終確認
- 音響機器(マイク・アンプ・スピーカー)のチェック
- 壁面装飾や飾りが剥がれていないか確認
👕 子どもたちの身支度と最終チェック
- 登園時に子どもたちの体調を確認
- 服装の乱れを整える(シャツの裾、靴、髪型など)
📖 卒園式の進行サポート
- 入場・退場の誘導(並び方を確認し、スムーズに移動できるように)
- 証書授与の補助(子どもが証書を受け取る際にサポート)
- 歌やスピーチのフォロー(緊張して忘れた場合にサポート)
- 園児の体調管理(緊張や疲れで具合が悪くなる子がいないか確認)
🎥 保護者対応
- 受付・座席案内などの誘導
- 写真撮影の補助(記念写真撮影時の整列サポート)
- 卒園児や保護者に「おめでとうございます」と声をかける
卒園式の当日は、担任の先生は袴を着ていて動きづらく、保護者対応で忙しくなるため、担任以外の保育士がしっかりフォローすることが大切です。
みんなで協力し、スムーズな式典運営を心がけましょう。
2-3. 卒園式の流れ(タイムスケジュール)
◆ 卒園式当日のスケジュール例
※定員41名の中規模園(卒園児11名)の場合
このように、園によって細かな違いはありますが、大まかな流れは共通しています。
そのため、事前に自園のスケジュールを確認し、どの場面でどの役割を担うのか把握しておくと安心です。
2-4. 卒園式の後の対応
🚪 子どもたちの見送り
- 一人ひとりに「卒園おめでとう」と声をかけ、笑顔で送り出す
- 保護者とも短い会話を交わし、感謝の気持ちを伝える
🧹 片付け作業
- 式場の片付け(装飾・椅子の撤去、掃除)
- 機材の整理(マイク・スピーカー・ピアノなど)
- ゴミの回収(会場や控室の確認)
📝 先生同士での振り返り
- 式の流れはスムーズだったか
- 子どもたちや保護者の反応はどうだったか
- 改善点があれば、次年度に向けて記録を残す
卒園式は、子どもたちと保護者にとって一生の思い出になる大切な行事です。
最後まで丁寧に対応し、気持ちよく送り出しましょう。
3. 園によって違う卒園式のスタイル
卒園式には保育園ごとの特色が表れます。
つまり、大規模園と小規模園では、子どもたちとの関わり方や演出が異なることも。
編集部が近隣の保育園をリポート!それぞれの卒園式の特徴をご紹介します。
園の種類に関しては別の記事で詳しく解説しています。【保育園の種類とは?保育園選びで失敗しないポイントを解説!】
3-1.【大規模】認可保育園A(卒園児60名)
卒園児が60名を超える大規模園Aでは、在籍している全保育士が担当園児を持ち、手作りの卒園アルバムを制作するのが伝統になっています。
写真を切り抜き、一人ひとりに合わせたアルバムを作成。これは毎年の恒例行事となっており、園児だけでなく、保護者にとっても楽しみの一つになっているそうです。
3-2.【中規模】企業主導型保育園B(卒園児10名)
卒園児が10名と比較的小規模なB保育園では、式典中に担任の先生が一人ひとりに向けた手紙を読むプログラムがあります。
普段はなかなか言葉にできない気持ちを、直接園児に伝える特別な時間。会場全体が感動と涙に包まれ、保護者も思わず涙する瞬間になるそうです。
4. 保育士の卒園式の服装と身だしなみ
卒園式は、子どもたちや保護者にとって特別な日です。
したがって、保育士もフォーマルな装いを意識し、清潔感と上品さを大切にしましょう。
ここでは、服装やメイク、避けるべきNGファッションについて解説します。
4-1. 卒園式の基本的な服装(ジャケット・トップス・ボトムス・靴・ストッキング)
卒園式の服装は、フォーマル感があり、派手すぎず地味すぎないバランスが大切です。
✅ ジャケット
- シンプルなデザイン(ノーカラーやテーラードなど)
- 色は黒・紺・グレー・ベージュ(派手な柄や光沢のある素材は避ける)
- しわになりにくい素材を選ぶ
✅ トップス(ブラウス・カットソー)
- 白・アイボリー・淡いベージュなど落ち着いた色
- シンプルで上品なデザイン(レースが少し入っているものはOK)
- 襟付き or ラウンドネックが無難(開きすぎたVネックは避ける)
✅ ボトムス(パンツ・スカート)
《パンツ》
- ストレート or テーパードパンツが好ましい
- 色はジャケットと同系色(黒・紺・グレー・ベージュ)
《スカート》
- 丈は膝丈〜ミモレ丈(短すぎないもの)
- タイトスカート or フレアスカート(広がりすぎないもの)
✅ 靴(パンプス・ローファー)
- 色は黒・ベージュ・ネイビーなど落ち着いた色
- 3~5cmのローヒールが最適(7cm以上はNG)
- 装飾の少ないシンプルなデザイン
✅ ストッキング(必須)
- 肌色(ナチュラルベージュ)で20〜40デニール
- 替えを用意しておくと安心(準備や設営で伝線する可能性があるため)
4-2. 卒園式のメイクと髪型(清潔感のあるスタイル)
✅ メイク
- ベースメイクはナチュラル&崩れにくい仕上げ
- アイメイクはブラウン系で控えめに
- リップはピンクベージュやコーラル系(派手すぎないもの)
✅ 髪型
- ミディアム~ロング:一つ結び・シニヨン・ハーフアップがおすすめ
- ショート:ワックスやスプレーで整え、ナチュラルな仕上がりに
4-3. 避けるべきNGファッション
🚫 NG服装
- 派手な柄やチェック・ストライプ柄、光沢のある素材
- フリルやリボンが目立つデザイン
- サイズが合っていないもの(大きすぎる・タイトすぎる)
- ミニスカート(膝上10cm以上)やフレアが広がりすぎるデザイン
🚫 NGシューズ
- 7cm以上のハイヒール(歩きにくく不向き)
- サンダル・ミュール・スニーカー(フォーマルな場に不適切)
🚫 NGメイク・ヘアスタイル
- 濃すぎるメイク(赤リップ・濃いアイライン・派手なチーク)
- 明るすぎる髪色(金髪・派手なカラーリング)
- ボサボサの無造作ヘア
4-4. 卒園式の服をどこで買う?
「なるべくリーズナブルな金額に抑えたいけど、どこで買えばいいの?」と悩む方に、元保育士の視点でおすすめの購入先をピックアップしました!
■ 実店舗(試着して選びたい方に)
- しまむら:プチプラでシンプルなフォーマル服が揃う
- ユニクロ:シワになりにくいジャケット・パンツが優秀
- GU:手頃な価格でシンプル&動きやすいフォーマルが買える
■ ネットショップ(忙しくて買いに行けない方に)
- 楽天市場:セットアップ販売が豊富で、口コミも参考にできる
- GRL(グレイル):トレンド感のあるフォーマル服がプチプラで買える
- Re:EDIT(リエディ):低身長向けサイズもあり、シンプルフォーマルが充実
5. 保育士としての心構え
卒園式は、子どもたちにとって保育園生活の集大成となる特別な日です。
また、保育士としても、日々成長を見守ってきた子どもたちを送り出す、感慨深い瞬間となるでしょう。
この大切な式を成功させるために、保育士として意識したいポイントを確認しましょう。
✅ 子どもたちの成長を温かく見守る
卒園式の当日は、子どもたちも期待と不安が入り混じった気持ちでいます。
今までの成長を振り返りながら、温かく見守りましょう。
✅ 緊張している子どもを優しくサポートする
普段は元気な子どもでも、本番の雰囲気にのまれて緊張することがあります。
- 証書授与のときに立ち止まってしまったら、優しく誘導する
- 歌やスピーチを忘れてしまったら、そっとサポートする
焦らせず、安心できる環境を作ることを心がけましょう。
✅ 感動しすぎて仕事を忘れない(涙は控えめに)
卒園式は感動的な場面が多く、つい涙がこぼれてしまうこともあるでしょう。
しかし、保育士は式を支える立場です。
したがって、感情に流されすぎず、冷静に子どもたちを見守ることも大切です。
✅ 最後まで笑顔で送り出す
卒園児にとって、先生たちの笑顔は安心感につながります。
したがって、別れの寂しさがあっても、最後まで明るく、温かい雰囲気で送り出しましょう。
6. 卒園する子どもたちへの応援メッセージ
保育園生活を終え、小学校という新たなステージに向かう子どもたち。
卒園文集のメッセージ欄や色紙への寄せ書きを通して、温かい言葉を贈りましょう。
ただし、文章を書くスペースが限られていることも多いため、シンプルかつ前向きな言葉でまとめるのがポイントです。
6-1. メッセージ例文
🌟 活発で元気な子へ
「◯◯くん、卒園おめでとう! いつも園庭を元気いっぱい走り回っていたね。かけっこでは最後まで全力で頑張る姿がとてもかっこよかったよ!小学校でも、元気いっぱいにいろんなことにチャレンジしてね!」
「◯◯ちゃん、卒園おめでとう! いつも笑顔で、みんなを元気にしてくれてありがとう。お遊戯会でのダンス、キラキラ輝いていてとても素敵だったよ!これからも、その笑顔を大切にしてね。」
🌸 優しくて思いやりのある子へ
「◯◯くん、卒園おめでとう! お友だちが困っているとすぐに「大丈夫?」と声をかけてくれる優しさがとても素敵でした。小学校でも、きっとたくさんのお友だちに囲まれるね。その優しさをずっと大切にしてください。」
「◯◯ちゃん、卒園おめでとう! 小さいお友だちに優しく接してくれてありがとう。お部屋の片付けもいつも手伝ってくれて、とても助かりました。小学校でも、その優しさでみんなを笑顔にしてね!」
🎨 創造力豊かな子へ
「◯◯くん、卒園おめでとう! お絵かきが大好きで、いつも素敵な作品を見せてくれたね。特に○○の絵は、本当に上手だったよ!これからも、たくさんの素敵な作品を作ってね!」
「◯◯ちゃん、卒園おめでとう! 折り紙や工作が大好きで、いつもアイデアいっぱいの作品を作っていたね。小学校でも、いろんなことにチャレンジして、自分だけの素敵な世界を広げてね!」
🎤 発表が得意な子へ
「◯◯くん、卒園おめでとう! 発表会では、大きな声で堂々とお話してくれて、とても頼もしかったよ!小学校でも、その自信を大切にして、たくさんのことにチャレンジしてください。」
「◯◯ちゃん、卒園おめでとう! 絵本の読み聞かせがとても上手で、みんなが夢中になって聞いていたね。小学校でも、いろんなことに挑戦して、もっと素敵なお話をたくさん聞かせてね!」
6-2. 書く時のポイント
- ✅ 短くても気持ちが伝わるメッセージにする
→ 「卒園おめでとう!」「これからも応援しているよ!」だけでもOK! - ✅ 思い出を入れると、より感動的になる
→ 例:「お遊戯会でのダンス、とても素敵だったね!」 - ✅ その子ならではの個性を伝える
→ 例:「お絵かきが大好きで、いつも素敵な作品を見せてくれたね!」 - ✅ 前向きな言葉で締めくくる
→ 例:「小学校でも、いろんなことにチャレンジしてね!」
7. まとめ
卒園式は、子どもたちにとって成長の節目となる特別な一日です。
保育士として、この大切な日を温かく、笑顔で見守りながら、子どもたちの門出を祝福しましょう。
この記事では、卒園式に向けた準備から当日の流れ、服装や身だしなみ、心構え、
そして子どもたちへのメッセージの例まで幅広くご紹介しました。
🎓 卒園式で大切なポイント
- ✅ 卒園式の準備
→ 前日までにやるべきことを確認し、当日慌てずに動けるように準備しましょう。 - ✅ 卒園式の進行
→ 園ごとの特色をふまえつつ、子どもたちが安心して参加できるようサポート。 - ✅ 服装・身だしなみ
→ シンプルで清潔感のある装いを意識し、落ち着いた雰囲気で送り出しましょう。 - ✅ 保育士の心構え
→ 感動する瞬間も多いです。しかし、保育士としての役割を忘れず、責任を持って見守ることが大切。 - ✅ 応援メッセージ
→ 一人ひとりの個性を大切に!そして前向きな言葉で次のステップへ送り出しましょう。
卒園式は子どもたちだけでなく、保護者にとっても、保育士にとっても忘れられない大切な瞬間となるはずです。
子どもたちが「楽しかった」「頑張った」「嬉しかった」と思えるような卒園式を作り、そして、素敵な思い出を一緒に刻んでいきましょう!