保育士試験言語に合格するには、どこに気をつければいいかを解説します。近年の言語に関する実技試験の傾向や、攻略動画、準備の仕方を解説しています。是非本記事を参考にして頂き、合格を勝ち取って下さい!
目次
1. 保育士試験言語とは
B子
実は私は国家試験を受けて保育士資格を取得したの。大学卒業後には一般企業へ就職したんだけど、やはり保育士になりたいとの思いを捨てきれずに独学で試験を受けて保育士資格を取得して今に至るの。だから、何歳からだって目指せるものよ!
そうだったんですね!独学って難しそう・・どれくらいの期間勉強されたんですか?
C子
B子
1年間かかったわ。筆記試験は9教科あるけど、初めから教科を絞って受験したから、前期試験までに4教科、後期試験で5教科に分けて勉強して合格できたわ。分けて勉強することで働きながらでもチャレンジできたわ。筆記試験に合格したら次は実技試験があるの。実技試験は、「音楽・造形・言語」の3科目の中から、2科目を自分で選択して受験するのよ
1年間で出来るもんなんですね!!凄いです!実技試験は何の科目を受けたんですか?
C子
B子
造形と言語を受けたわ。この記事では「言語に関する技術」について詳しく教えていくわね!合格する為に必要なポイントをたくさん教えるわ♪これからでも遅くない!言語に関する表現では、声のトーンやボリュームはとても重要です!この記事にはたくさんのポイントがまとめてあるから、かなり参考になりますよ!私も受験前に知っておきたかった・・
1-1. 保育士試験言語とは
同じ言葉を使っていても、物語の世界は、日常の現実世界と異なります。お話は言葉を通じて、子どもたちの想像力を育み、周囲の人と心を通わせる共感性や新な楽しみを与えてくれます。そんな力をチェックすることが目的で、言語表現の試験があります。
幼児の遊びには、ものを見立てる想像力なくしては成立しません。実は言葉そのものも、ものを見立てる象徴機能から生まれているのです。また他者の思いを予想すること、未来を予測し判断すること、科学的な発見、想像力自体を吟味することなど、皆、想像力の恩恵によるものです。
今、どのような状況にあっても、未来に希望を見出すことができるのも、想像力の働きによります。ですからいろいろな意味で、子ども達の想像力を育むことはとても大事なのです。子どもたちの年齢に応じた想像力や言葉の豊かさを養うことのできるような表現を心がけましょう。
1-2. 保育士試験言語の概要
毎年出題される保育士試験言語では、以下の内容になっています。
① 3歳児クラスの15人程度の子どもに「3分間のお話」をすることを想定する
② 4つのお話の中から一つを選び、あらすじを通して、3歳児がお話の世界を楽しめるように3分間にまとめる
③ お話の内容を子どもがイメージできるように、身振り・手振りを加える
④ 絵本等を持つことは想定しない
⑤ お話をする時は、立ってしても、座ってしてもかまわない
⑥ 絵本や台本、人形等は、一切使ってはいけない
⑦ 3分間はタイマーで測り、その間は退出できない
1-3. 保育士試験言語の題材
① 「ももたろう」(日本の昔話)
② 「おむすびころりん」(日本の昔話)
③ 「3びきのこぶた」(イギリスの昔話)
④ 「3びきのやぎのがらがらどん」(ノルウェーの昔話)
1-4. 保育士試験言語に受かるポイント
言語の実技試験に合格するポイントは、「声の出し方や表現技術、幼児に対する話し方」です。特に重要なのは、3歳児という設定です。この年齢の子どもは、自分の興味がないものに集中してお話を聴けません。
つまり、子ども達の興味を引くように、身振りや手振り、表情に変化をつけてあげる必要があります。まず最初に、お話のストーリーを完全に暗記します。次に、3歳の子どもが興味持てるようにお話を編集します。そして最後に、話すリズムや声の抑揚、ジェスチャーの仕上げをします。この時、目の前に子どもがいる想定なので、目線にも気をつけて下さい。
目の前に15人前後の子どもがいることをイメージし、興味を持ってもらえるように、顔の表情や声の抑揚、身振り・手振りをして、お話をしましょう。
2. 保育士試験言語に関する保育所の保育方針とは
ここでは、言語に関する技術についての保育所の保育指針について解説します。
<3歳以上の保育に関する目標>
◆言語
経験したことや考えたことなどを自分なりに言葉で表現し、相手の話す言葉を聞こうとする意欲や態度を身につけ、言葉に対する感覚や言葉で表現する力を養う
◆ねらい
日常生活に必要な言葉かけがわかるようになるとともに、絵本や物語など親しみ、言葉に対する感覚を豊かにし、保育士や友達と心を通わせる
◆内容
絵本や物語などに親しみ、興味をもって聞き、想像する楽しさを味わう
言語表現の求められる力として、保育士として必要な基本的な声の出し方、表現上の技術、幼児に対する話し方ができることの3つがあります。近年の傾向のポイントを、以下に記します。
① 求められる力が明文化された
② 題材が指定された
③ 指定の題材が変わった
④ 子どもに見立てられた椅子が用意された
⑤ 想定する子どもの人数が15名に変わった
3. 子ども達の興味を惹き付けるテクニックとは
ここでは、子ども達の興味を惹き付ける具体的方法を解説します。
3-1. お話の選び方とは
ここでは、お話を選ぶポイントを解説します。
3-1-1. 好きなお話を選びましょう
自分の好きな話や語りやすい話を選びましょう。そうすることで、パフォーマンスの最大限に発揮されます。
3-1-2. お話のアレンジをイメージしましょう
登場人物の語り分けや、アレンジの方法のイメージを事前にしっかり固めておきましょう。
3-1-3. 登場人物の数に気をつけましょう
お話の中の登場人物が多いと 表現上の難易度が高まります。各キャラクターの表現に気をつけましょう。
3-2. 素話とは
素話とは、絵本などの視覚的な道具を一切使わず、子どもたちに素朴に物語を語るものです。お話ストーリーテングと言われる童話を始めると、子どもたちは目を輝かせ、主人公と一体化してお話を聞き入ります。
「ドキドキ」「ハラハラ」しながら聴き入る子ども達の張り詰めた緊張感に、話し手の表情や表現力もどんどん引き出されていきます。そのように語り手と聴き手が相乗的にお話の雰囲気を盛り上げ、一緒にお話のイメージを創り上げていくのが素話の魅力といえます。
3-3. 興味を惹き付ける語り方とは
感動や楽しさを生み出すことが出来ると同時に、語り手とまなざしを合わせながら一緒に物語を楽しみ、お話を深く味わえる魅力があります。
素話は語り手と聴き手の間を支える道具がないため、話し手が子ども達とまなざしを合わせやすく、子どもたちの表情や反応がすぐ察知できて、それに対応しやすい点があります。
3-4. お話のアレンジの具体的方法とは
ここでは、どうやってアレンジすればいいのか、解説します。
① アレンジする際は忘れずに、題名を加える
② 3歳児対象なので、文末は 『だ。』『である。』調でなく親しみやすい「です。ます。」調で語る
③ 3歳児は、まだイメージする力が弱いので、カブの大きさを声の強弱で伝える
④ 3歳児は、擬音語によく反応する。「うんとこしょ、どっこいしょ」など
⑤ 登場人物が増えることで、人数が増えてもなかなか抜けないカブの大変さを伝える
⑥ 3歳児は繰り返しが好きなので、繰り返しのおもしろさがアレンジ出来るようにする
⑦ 子ども達と一緒にカブを引っ張るイメージで
⑧ カブが抜けた時の達成感をしっかり伝える。声を張るだけではなく、1トーン上げた声色で
⑨ お話の終わり方は、はっきりと あっさりと 余計な教訓をつけたりすることは避ける
3-5. 興味が湧く語り方のポイントとは
子ども達に興味を持ってもらえる語り方のポイントを、以下に解説します。
① 3歳児が言葉をきちんと聴き取り、お話の内容をイメージしてついてこられるように、ゆっくりと、反応を確かめながら語る
② 全体を通してリズム感を大切にし、子どもたちが集中し興味を持続できるように語る
③ 登場人物のそれぞれに個性をだす必要があるので、表情やセリフに工夫が必要
④ 擬音語などを使って それぞれのおもしろさがひきたつように、表現力豊かに語る
⑤ 繰り返しの場面は子どもが喜ぶポイントで、それぞれの場面で、十分な間を取り、その場面への期待を高める
⑥ 登場人物のセリフは 個性が感じられるように語る必要はあるが、できるだけ自然に語り、不自然な声色やアニメ声は避ける
4. 保育士試験言語の試験の流れと対策
4-1. 試験の流れ
当日の試験の流れの例です。※会場によっては違うこともあります。
4-1-1. 待機室で待機
① 待機室は当日発表されます。20分前までには必ず入りましょう
② 進行状況によっては時間が早まることもあるので注意!
4-1-2. 誘導に従い試験教室前へ移動
① 試験開始時間の5分~15分前に試験教室真に誘導されます
② 進行状況によっては時間が早まることもあるので注意!
4-1-3. 入室
室内には試験官が二人。試験官と受験者との間に「子どもの絵」が貼られた椅子が置かれています。
① 順番が来たら案内者から誘導の声掛けがあり、入室した後指示に従って手荷物を置きます
② 受験番号、氏名を試験官に告げ、本人確認をします
③ 受験票の「受験シール」を2名の試験官に1枚ずつ手渡します
④ 試験位置へ移動し、立って話すのか、座って話すのかを選択し準備をします
4-1-4. 試験開始~終了
素話を始めます。
① 採点委員の「はじめてください」の合図でタイムキーパーがベルを鳴らします
② 最初に「〇〇のお話をします」とタイトルを子ども達に向かって話してから、スタートします
4-1-5. ベルが鳴ったら終了!
① 3分後タイムキーパーがベルを鳴らします
② 話の途中でも、その時点で終わりです。また、早く終わってしまっても、ベルが鳴るまでは退室できません
4-1-6. 退出
① 「ありがとうございました」と挨拶をして退出しましょう
4-2. 言語合格チェックリスト
4-2-1. 聞き取りづらくないか
早口になっていないか、練習を重ねると同じところで詰まる事がある為、落ち着いて話しましょう。つまづくところは、簡単な自分の言いやすい文章へ変更することをお勧めします。
4-2-2. 声のボリューム
子ども達の興味を引けるように、お話の中で声のボリュームや声色に変化をつけましょう。
4-2-3. 表情
基本的には、笑顔で話します。登場人物の感情に合わせて、喜怒哀楽を表現しましょう。
4-2-4. 惹きつけられる言葉
子ども達は、擬音語や繰り返し表現が大好きです。惹きつけられる言葉を、文章に取り入れることをお勧めします。
4-2-5. 身振り手振り
お話をより楽しめるように、身振り手振りを入れましょう。
4-2-6. 時間通りに終われるか
何度練習しても、本場では緊張して早口なる傾向があります。ベルが鳴るまでのつなぎの話の準備をしておきましょう。
4-3. 試験のポイント
子どもが集中して聞けるようなお話をすることは、保育士にとって大切な資質の一つです。実際の保育の場面を想定して、子どもたちに話しかけるイメージで練習しておくことがポイントでしょう。
話をしっかりと読み込み本来のストーリーを頭にいれるのはもちろん、子ども向けに噛み砕いたあらすじを作って、すらすらと話せるように繰り返し練習してくことが大切です。
4-4. 実技試験に着ていく服装
試験当日の服装に特に決まりはないため、私服で問題ありません。ただし、スウェットやジャージなどのカジュアル過ぎる格好や、ダメージジーンズ、ミニスカートなどの華美な服装は避けましょう。オフィスカジュアルのような、シンプルかつ清潔感のある服装を意識するとよいです。
また、服装だけでなくヘアメイクも重要です。女性はナチュラルメイクで髪の毛を束ね、男性の場合も清潔感を感じられるよう、ひげを剃り、髪もすっきりとまとめれば、試験官へ好印象を与えられるでしょう。
4-5. 間違えても合格できる!
言い間違えがあっても、噛んでも、セリフが飛んでしまっても合格している人が殆どです。完璧でなくても大丈夫です!
5. 保育士試験言語対策に役立つYouTube動画
ここでは、保育士試験言語対策に役立つYouTube動画をご紹介します。
5-1. 【保育士実技試験・言語に関する表現】動画解説
「言語に関する技術」の評価のポイントだけでなく、実際の現場のイメージがつく構成になっています。まるで実際の試験会場のような臨場感が、この動画の最大の魅力です。
5-2. 【保育士実技試験・言語に関する技術】3びきのこぶた
この動画では、「3匹のこぶた」の実際の試験を想定して作成されています。「座りバージョン」と「立ちバージョン」の2通りあり、どちらが自分に合いそうかシミュレーションできます。
5-3. 【保育士実技試験・言語に関する技術】3匹のやぎのがらがらどん
「3匹のやぎのがらがらどん」を、実際の試験を想定して3分で語っている動画です。この動画も「座りバージョン」と「立ちバージョン」の2通りあり、どちらが自分に合いそうかシミュレーションできます。
6. 保育士試験言語の過去問題について
言語では、3歳児クラスの子ども15~20人に「3分間のお話」をすることを想定しています。4つの課題があり、その中から1つ選び、子どもが集中して聴けるようにお話します。
絵本や他の道具は一切使わないので、抑揚をつけて興味を喚起することが大切です。
6-1. 2022年、2023の過去問題
① ももたろう
② 3びきのこぶた
③ おおきなかぶ
④ 3びきのやぎのがらがらどん
6-2. 2020年、2021年の過去問題
① ももたろう
② 3びきのこぶた
③ おおきなかぶ
④ 3びきのやぎとがらがらどん
6-3. 2019年の過去問題
① おむすびころりん
② ももたろう
③ 3びきのこぶた
④ 3びきのやぎとがらがらどん
6‐4. 2018年の過去問題
① おむすびころりん
② 3びきのこぶた
③ 3びきのやぎとがらがらどん
④ てぶくろ
6-5. 2017年の過去問題
① うさぎとかめ
② おむすびころりん
③ 3びきのこぶた
④ にんじん、ごぼう、だいこん
7. まとめ
いかがだったでしょうか。保育士試験の言語に合格するためには、自分が話しやすいお話を選んで覚えるだけでなく、その表現力が問われます。
また集中して聴くことができない園児を想定し、いかに夢中にさせられるかのスキルが審査されます。
実技試験の言語ではビジュアルを使えないので、表情、声、手振り、身振りを駆使する必要があります。特に子どもにとっては、表情の変化や声のリズムはインパクトが大きいので、最大限活用しましょう。
是非本記事を参考にして頂き、合格を勝ち取って下さい!