保育園の看護師は、年々ニーズが高まっています。例えば、厚生労働省は出来る限り保育園に看護師を配置するように定めており、保育園の求人においても看護師が増加傾向にあります。
アレルギーへの対応、障害をもつ子どもへの対応において看護師の役割が必要とされるようになってきており、また慢性的な保育士不足への解決策の一環としても、今後も需要がますます増えると考えられます。
本記事では、保育園で働く看護師の仕事内容、平均給与、志望動機、例文などを紹介します。
目次
1. 保育園での看護師の仕事・業務内容
看護師さんがいるってとても安心出来ますよね！
C子
A子
昔に比べてアレルギーを持っている子どもが増えている背景もあって、看護師の役割や必要性が保育現場でも必要不可欠となっているの
保育園看護師の仕事は、病院看護師とは違って保育に携わることも多いからイメージしている仕事内容と異なる人もいるみたいですね
B子
A子
そうね。病気やケガをした子がずっといる訳ではないから、保育に入ってもらうことも多いものね。「私、看護師だけど」と思う方もいるわよね。でも、看護師としての役割を考えてもらって保育士と協力してもらえれば、お子さんを預ける保護者へも安心を与えられる存在となるのよ。この記事では保育園看護師の仕事内容や、給与、履歴書でも使える志望動機を紹介しているわ
保育園で働く看護師の主な仕事は、子ども達の健康管理です。大人以上に、様子をよく観察し、注意深く業務を行う必要があります。保育園では、看護師は健康状態に毎日気を配りながら保育をします。
健康診断や歯科検診など定期的に行うほか、熱が出たり軽い怪我の応急処置、アレルギーの子どもへのケア、病院へ急遽行く必要が生じたときの付き添いも担当することになります。
また、うがいや手洗い、歯磨きなど基本的な生活習慣の指導、保育補助、保険便りの作成など業務内容は幅広くあります。保育補助業務は一見看護業務とは無関係に思えますが、長い目で見ると子ども一人ひとりの健康を守ることに繋がります。
保育園で働く看護師には1人に限って、保育士とみなすことが出来ます。これまで保育経験のない看護師が保育業務を行うのは不安があるかもしれませんが、基本的には保育補助や雑務のお手伝いがほとんどですので安心してください。
しかし、保育士不足の園では保育業務ばかりを任されたり、乳児クラスの担任となってしまうこともあるようです。転職の際は、どんな仕事を任されるのか・保育園がどのような状況なのかを事前に確認しておいた方が良いでしょう。
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①子どもたちの健康管理 |
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| ②保護者対応 |
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| ③保育士の補助業務 |
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2. 保育園看護師のYouTube動画人気ランキングTOP10
保育園で働く看護師はどんな仕事をしているのか、YouTubeの月間再生数による人気ランキングTOP10をご紹介します。元保育園看護師による解説など、非常に参考になる内容が詰まっています。
| 1 | 【子どもの看護師】保育園看護師に向かない人 | 500回 |
| 2 | 【金沢市】病児保育室ってどんなところ？ | 485回 |
| 3 | 看護師が保育所で働いてみた｜1日の流れ | 280回 |
| 4 | 保育園看護師のメリット・デメリット | 270回 |
| 5 | 【子どもの看護師】保育園看護師の必須スキル | 150回 |
| 6 | 【子ども好きの看護師】保育園看護師に小児科経験は必要？ | 140回 |
| 7 | 【こどもの看護師】年間保健計画について | 130回 |
| 8 | 【子どもの手当て】噛みつきの正しい処置法 | 130回 |
| 9 | 保育園看護師あるあるランキング3→1 | 125回 |
| 10 | 保育園看護師あるあるランキング10→4 | 120回 |
3. 保育園で働く看護師の給料
保育園で働く看護師には夜勤はなく、残業もそれほどありません。それだけに病院勤務に比べ給料は下がり、300~400万円と予想されます。厚生労働省の調査によると保育園勤務の職員の給与月額では保育士よりも、看護師の方が少し高いようですが、そこまで大きな差はないと考えておいた方が良いでしょう。勤務時間については、延長保育を行っている保育園もあり、就業時間は様々ですので、事前に確認しておきましょう。
病院だと正看護師・准看護師で給与や仕事内容に差が出てきますが、保育園で働く上ではほとんど同じ条件になります。たまに、正看護師のみという求人もありますが、准看護師だからといって給与がかなり下がるということはない点は安心です。
また、公立の場合は各自治体の職員として採用されます。待遇面では安定していますが、自治体内での異動もあります。
4. 保育園の看護師の仕事のメリット
基本的に保育園の看護師の仕事は夜勤はなく、残業もほとんどないため、子育てや家事、プライベートと両立しやすい環境です。健康な子どもたちの中で働くので、病院での仕事をストレスに感じていた看護師でも、子どもたちと関わったり、発達を見守ったりすることで癒される部分も多くあり、子どもの可愛らしさを感じられる職場です。そんな保育園看護師の仕事のメリットを、以下解説します。
4-1. 夜勤がない
夜間保育園ではない限り、保育園看護師には体力的な負担が大きい夜勤がありません。また一般的な看護師の勤務スタイルはシフト制で休みがバラバラですが、保育園の看護師は土日休みなどが取得しやすいというメリットがあります。
4-2. 残業がほぼない
病院勤務の看護師とは異なり、定時で上がることができます。そのためプライベートの時間の予定を立てやすく、子どものお迎えの時間など気にしなくてもよくなります。
4-3. 子どもの熱などの急な早退・休みが取得しやすい
病院で看護師として働いている場合、自分の子どもの急なお迎えなどで早退や休みをしなければならないことがあります。そんな時、現場の上司は「帰っていいよ」といってもらえるかも知れませんが、やはりまだ理解が乏しい女性の職場ということもあり、「また、早退した」「急に休み？」などといった風当たりが強いこともあります。その一方で保育園の看護師は、子どもを一番に考える職場なため、早退や休みなどを取得しやすい雰囲気があります。
4-4. 保育園の看護師は頼られる存在
園児がケガをした場合の処置の仕方や、感染症など保育士が知識がない状況において、とても心強い存在になれるのが保育園の看護師の大きなメリットです。昨今のコロナウィルスの感染予防の対策として、消毒の仕方や衛生管理方法なども指導してもらえる存在としても期待されています。また看護師は職員の体調不良管理もできるので、どんな症状はどの病院が最適といった判断ができる良き相談相手としても、期待されています。
4-5. 園によっては保育料の割引や免除がある
保育園看護師として就職する保育園に空きがあり、就業先に子どもが預けられると保育料の割引が受けられる園があります。また就業先に子どもを預けられるので、お迎えまでの時間にバタバタしなくてもいいというメリットがあります。
例えば、就業先ではないところに子どもを預けている場合、17時30分に退勤してそこからお迎えに行いくとすると、だいたいの園では18時から延長保育が始まるため、18時までにお迎えに行かないと延長保育料がとられることがあります。そういった懸念がなくなるのも、保育園看護師のメリットといえるでしょう。
5. 保育園の看護師の仕事のデメリット
スキルアップを目指す方は、保育園での看護師の仕事は、その道から少し遠ざかることは覚悟した方がいいでしょう。また、これまでは分からないことや疑問に思ったことは先輩や同僚に相談できましたが、保育園は基本的に看護師1名体制です。保育士さんと協力しながら業務に取り組むものの、自分で判断し対応しなければいけない場面が数多くあります。
さらにまた、保育園看護はまだ新しい分野のため、看護師の業務内容がまだよく認知されていません。そんな保育園の看護師の仕事のデメリットを、以下解説します。
5-1. 一人で看護師として業務を全て行う必要がある
多くの保育園は、在籍している看護師は園に一人の場合が多いため、看護師に求められる業務は一人で行う必要があります。これは「頼られる存在で、非常にやりがいがある」「ある程度、自分の好きなように仕事ができる」というメリットがある反面、「他の人と業務を分担できない」というデメリットもあります。
5-2. 夜勤手当や残業代が減る
保育園看護師は夜勤や残業がないため、その分のお給料が減るというデメリットがあります。日本看護協会の調査研究報告によると、病院看護師の平均年収が480万円です。これに対し、保育園看護師の平均年収は400万円前後になります。この約80万円の差が、「お給料重視」か「プライベート重視」「子育てとの両立重視」で何を優先するかという判断が求められます。
5-3. キャリアアップと昇給がしにくい
通常病院には多くの看護師が働いており、その組織の中では「リーダー」「看護主任」「看護師長」「看護部長」といった役職があります。またスキルと経験を身に付けて役職が上がると、基本給が増え、役職手当がつきます。
一方保育園看護師は役職がない場合が多く、キャリアアップによる昇給は不透明です。ただ保育園看護師は、「内容的にも時間的にも安定した業務」と、「まわりから頼られる存在」、「精神的ストレスの少なさ」というメリットもあるので、自分はどちらが向いているかを判断する必要があります。
6. 保育園の看護師の仕事に求められるスキル・資格
看護師としてのこれまでの経歴など、応募条件はとくに指定がないケースが多いようですが、病気の知識はもちろん、コミュニケーションの取り方も重要になってくるため、小児科経験者や保健師の資格保有者は強みになります。子どもの病気は大人とは様々な点で違いがあり、特に乳幼児などはどこを痛めているのかも分かりにくいため、日ごろから観察しておくことが重要です。年齢によってかかりやすい病気も異なるので迅速に対応できるようにしっかり勉強しておきましょう。
保育園は集団生活の場なので、感染症の発生に細心の注意を払わなければなりません。状況の確認や予防など、乳幼児期に多い疾患の把握と保育士への注意啓発を行いましょう。また、食事による事故も可能性が高いです。アレルギーや誤飲など、命に関わる危険性があるため、アレルギー・食事についてはしっかり調べておきましょう。
保育補助の仕事も行いますので、子育て経験者やピアノや楽器が弾けたりお絵かきや体を動かすことが好きな人は保育の場で活かすことが出来るでしょう。これは子どもとの信頼関係を作るために大切なスキルなので、積極的に保育士から教わるなどして取り組む
と良いでしょう。日々子どもとの関わりが絶えない職場のため、子どもが好きでないと難しい仕事です。
7. 保育園で働きたい看護師向けの志望動機、例文
看護師としての経験から、子ども達の健康状態を保つためにどんなことに取り組めるのか具体的にアピールできると良いでしょう。未経験者は子どもと関わった経験、サークル活動などの経験があれば小さなことでも書いておきましょう。仕事を通じてどのように子どもと関わっていきたいか等、看護師としての取り組む姿勢をしっかり伝える事が大事です。
保育補助として関わる時間も多いので、ピアノやお絵かきなど保育に役立つ実践的なスキルを伝えるのもいいでしょう。しかし、夜勤がないこと残業が少ないことを志望動機に書いてしまうと条件面を重視していると捉えられてしまう可能性もあります。
＜志望動機の例文＞
「子どもの頃の将来の夢は保育士でした。自身の子育て経験と看護師として病棟勤務の経歴をいかし、保育園で子ども達の安全と健康管理につとめ子どもたちが健やかに成長していけるようを手助けしたいと思い応募いたしました。働く保護者様の気持ちにも寄り添い、サポートをしたいと考えております。」
8. 保育園で働く看護師の就業場所
保育園で働く看護師の就業場所は、大きく以下の4つがあります。それぞれ、見ていきましょう。
8-1. 小児科もしくは病院施設併設型病児保育園
小児科もしくは病院施設併設型病児保育園で看護師に求められる仕事は、乳幼児・幼児の看護業務です。「予防接種」や「検診」なども行います。
8-2. 保育園併設型病児保育園
保育園併設型病児保育園で看護師に求められる仕事は、以下になります。
・子どもの健康観察
・子どもの保育補助（乳児保育を含む）
・子どもの医療的なケア
・保護者への対応
・併設保育所の保育補助
・特別保育（早朝、延長保育など）への対応
8-3. 単独病児保育園
単独病児保育園で看護師に求められる仕事は、保育士業務と看護業務です。
8-4. 訪問型病児保育
訪問型病児保育で看護師に求められる仕事は、以下になります。
＜看護のお仕事＞
・定期的に体温を測る
・水分補給
・お昼寝中の呼吸観察
＜保育のお仕事＞
・家庭を訪問し、一対一の保育
・子どもの様子のメール報告
・病児保育記録の提出
9. まとめ
保育園の看護師は病院での看護師と異なる点が多くあります。健康管理業務以外の保育補助業務が多くあるため看護業務に固執せず、積極的に保育業務に係わる意志が大切です。保育士との協力が欠かせず、慣れるまでに大変なこともあるでしょう。
しかし、今までの病院での看護業務の経験は保育園の中でも非常に重要なものになります。子ども達の健康の変化を把握し、怪我の処置や体調不良の子の対応をしたり、子どもの健康管理をつとめながら、子ども達の成長を見守ることは、責任も大きいですが、やりがいを感じることが出来る仕事でしょう。
看護師の平均年収と比較すると給与は低めですが勤務形態などもプライベートの時間がとりやすいので、今現在病院の勤務が厳しく感じている方にとって看護師としての資格や経験を活かす良い機会になるでしょう。正社員だけでなく、派遣社員やパート勤務の求人もあります。自分の希望する働き方が出来るのも、保育園看護師の大きな魅力でしょう。
